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プレスリリース 発行No.309 平成24年2月4日

千葉県指定 行徳鳥獣保護区
おさかなレスキュー:淡水池の水抜きと水生生物の採集
— 感潮池を造成する試み —

2012年2月5日(日) 行徳鳥獣保護区(千葉県市川市)において、感潮池を造成する試み(淡水池の汽水化実験)に伴い、淡水池の水を抜いた後に魚などの水生生物を採集する作業(おさかなレスキュー)が実施されます。これは東邦大学理学部東京湾生態系研究センターと茨城大学広域水圏環境科学教育研究センター、NPO法人 行徳野鳥観察舎友の会などによる協働プロジェクトです。『おさかなレスキュー』については、一般の方も参加できるイベントになっています。
 このイベントは、行徳鳥獣保護区内にある人工の淡水池である三島池を感潮池(淡水と海水が混在した状態の池)にすることで、環境や生物種にどのような変化・反応があるかを試す実験の一環で行われます。三島池の淡水を抜く際には、そこに棲む水生生物を助け出す『おさかなレスキュー』を一般の参加者と行います。
 陸域と海域の移行帯(エコトーン)である塩性湿地は、川が海に流れ込む河口域の干潟との間に形成される汽水の湿地です。そこには、様々な塩分に対応できる(耐性をもつ)生物によって独特の生物相が形成されます。しかし東京湾沿岸において、このような環境は真っ先に埋め立てられ、ほとんど残されていません。本実験では、淡水池を水路で海域(新浜湖)とつなげ潮入の池とし、環境と生物の変化の経過を記録していきます。究極の目標は、“東京湾沿岸の原風景の再現”であり、そのために陸域と海域のエコトーンである汽水域を人工的に作った時、そこの生物相がどのように形成されるのか、その過程を解明していくことになります。

 行徳鳥獣保護区は、1960年代後半から開発・埋立が進むなか、残された干潟や沿岸湿地を守ろうとする自然保護活動により、1970年 鳥獣保護区に指定されました。保護区内には東京湾とつながっている人工造成された塩水湖(新浜湖)があり、陸から海への移行帯である塩性湿地、ヨシ原が広がる昔ながらの海辺環境を再現しています。また砂干潟、泥干潟、転石場など様々な環境があり、渡り鳥をはじめとする野鳥の憩い場になっている他、数多くの干潟生物が生息しており、東京湾の生物にとって貴重な場所となっています。

行徳鳥獣保護区内 感潮池造成作業(三島池汽水化実験)

【実施日】 2012年2月5日(日)
【場 所】 行徳鳥獣保護区内 三島池
      〔集合:行徳野鳥観察舎(千葉県市川市福栄4-22-11)〕

スケジュール

10:00 三島池の水抜き開始、定置網の設置
12:00 昼休憩
13:00 イベント「おさかなレスキュー」 開始
15:00 イベント終了

※当日の取材をご希望の方は、【問い合わせ先】までご一報くださいますようよろしくお願い申し上げます

【お問い合わせ先】
東邦大学 経営企画部 広報担当 / 理学部東京湾生態系研究センター  森上 需
〒274-8510 千葉県船橋市三山2-2-1   E-mail: press@toho-u.ac.jp
TEL/FAX:047-472-1159    M Phone: 090-8722-8471