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プレスリリース 発行No.274 平成23年10月24日

東邦大学理学部 公開講座 
東日本大震災に学ぶ
シリーズ第3回(最終回) 『地震列島に生きる』

 東邦大学 理学部(船橋市三山・習志野キャンパス)では、一般の方の関心が高い内容をテーマに公開講座を開催しております(予約不要、受講料無料)。
 今年 3月11日に発生した東日本大震災は、私たちに地震とどのように向き合っていくのかという課題を改めて突きつけました。こうした中、本学理学部生命圏環境科学科では、今回の震災でどのようなことが起き、今後どう生かしていくかを共有することが重要と考え、全3回の連続した公開講座を企画しました。「何が起きたのか」「なぜ起きたのか」「今後どうすればよいのか」をテーマに、各専門家による講演を開催します。

シリーズ第3回(最終回) 『地震列島に生きる』

■日 時:2011年11月5日(土) 14:00~16:00(13:30開場)
■場 所:東邦大学習志野キャンパスⅢ号館2階205教室
■定 員:200名   
■その他:予約不要、受講料無料

講師

島崎 邦彦 氏 ( 地震予知連絡会会長、東京大学名誉教授 )

講演タイトル

「日本地震列島の今後」

講演要旨

 地震学と地震防災の面から、3.11地震の予測について、まずお話ししたい。地震学からみた正確な予測には、あと5-10年必要であったと思う。一方、地震防災の面から言えば、すでに2002年に予測できていた。これが実用化されていれば、原発事故はなかっただろうし、災害の程度もかなり軽減できたはずだ。原発の津波想定に引きずられた国の防災体制が、岩手県中心のシフトを取ったため、多数の尊い命を失うこととなった。余震、誘発地震は今後も続く。家具の転倒防止等、身近な地震防災から始めよう。東日本大震災後の一連の活動が収まった後には、中-西日本連発震災の恐れがある。さらなる国難を招かぬよう、オールジャパンで備えよう。


 島崎邦彦先生は、日本のみならず世界を代表する地震学および地震予測・防災の研究者として長年活躍されておられます。また、政府審議会の各種委員長および委員として大所高所的立場から、我が国の地震予測や防災に関して指導的役割を果たされておられます。同時に、研究成果を社会に伝える重要性を認識し、地震の知識普及のため全国各地で講演活動を積極的にされてきています。さらに 先の東日本大震災の後には、地震予知連絡会会長として多くの報道対応の重責も務められています。今回の地震が予測できなかったことに関しては、「研究者の基本的な思考の枠組みが間違っていた」(2011年3月28日 日本経済新聞)、「基本的な考え方が間違っていた」(2011年5月12日 日本記者クラブ記者会見)などと明言され、結果的に巨大地震を想定できなかったことを悔やまれておられます。一方で、防災に関して専門家の予測がその対策に反映されず生かされなかった現実があったことも明らかにされています。

 このように先の大震災時、地震・津波に関して学術面から国の機関に携わっていた島崎先生に、地震やその予測研究の現状、さらに地震防災の意識などについてお話し頂きます。

【お問い合わせ先】
東邦大学 習志野学事部 入試広報課   
〒274-8510 千葉県船橋市三山2-2-1 TEL: 047-472-0666