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プレスリリース 発行No.194 平成23年2月15日

理学部生物学科 瀧本 岳 講師 第15 回日本生態学会宮地賞 を受賞
~進化生物学と群集生態学の理論研究で~

本学理学部生物学科 瀧本 岳 講師が、第15回(2011年)日本生態学会宮地賞を受賞し、3月8日~12日に行われる第58回日本生態学会札幌大会において受賞記念講演(3月11日)を行います。
 日本生態学会宮地賞は、日本における生態学の一層の活性化を図ることを目的に、生態学の優れた研究業績を挙げた日本生態学会の若手会員に対して表彰するものです。東邦大学からの宮地賞受賞者は、3年前に受賞した理学部生命圏環境科学科 鏡味麻衣子講師につづき、2人目となります。
~進化生物学と群集生態学の理論研究で~01

 瀧本講師は、生物の多様性が生まれ持続していくメカニズムを解き明かすことを目的に進化生物学と群集生態学の理論研究を行っています。野外での実証研究に基づいた一般性・予測性の高い理論 を構築してきたことが、瀧本講師の特徴といえます。

瀧本講師の主な研究内容
〈進化生物学に関する研究〉
◆性選択による同所的種分化
◆雑種形成による種分化の逆転
〈群集生態学に関する研究〉
◆オントジェネティック・ニッチ・シフトと群集動態
◆異なる生態系の相互作用
◆食物連鎖の長さは何によって決まるのか?
◆促進(facilitation)と局所種数-地域種数の関係

※研究内容の詳細は、別紙を参照ください
 第58回日本生態学会札幌大会では、「食物連鎖の長さの決定機構:理論と実証から迫る」と題し、群集生態学の分野で大きな課題の1つである 食物連鎖長の決定機構 の解明に取り組んだ研究について、受賞記念講演を行います。
~進化生物学と群集生態学の理論研究で~02

 この研究は、食うもの-食われるものの関係である食物連鎖の長さ(食物連鎖においてどれだけ多くの生物が関係しているか)は何によって決まってくるのかに迫ったものです。かつて主流の考えでは、その決定要因は「一次生産性」(主に植物や植物プランクトンの生産量)や「撹乱」(主に海・川の氾濫や台風・ハリケーンなどといったその環境を一気に変化させてしまうイベント)によるものでしたが、近年 食物連鎖が成立している「生態系の物理的サイズ(生態系サイズ)」に強く制限されているという証拠が見つかりはじめました。そこで瀧本講師は、数理モデルを用いてそれぞれがどのように相互作用して食物連鎖長を決定しているのかを調べ、また理論予測を野外(バハマ諸島)で検証しました。その結果、生態系サイズが食物連鎖長の決定要因として重要であることが示唆されました。

《 第58回 日本生態学会 札幌大会 》

開催期間:2011年3月8日(火)~12日(土)
場 所:札幌コンベンションセンター
※第15回日本生態学会宮地賞受賞記念講演は 3月11日 に行われます。(日本生態学会web site をご参考下さい)

【お問い合わせ先】
東邦大学 経営企画部 広報担当 / 理学部 東京湾生態系研究センター 森上 需
〒274-8510 千葉県船橋市三山2-2-1 E-mail: press@toho-u.ac.jp
TEL/FAX:047-472-1159 M Phone: 090-8722-8471