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プレスリリース 発行No.075 平成21年7月27日

韓日二国間プロジェクト
『薄膜系有機太陽電池 開発』 スタート

 薄膜系有機太陽電池の開発を目指した韓日二国間協力の5年間プロジェクト『Bilateral International Collaborative R&D Program : Development of Nanotechnology-based Organic Solar Cell Materials for Green Environment』(総予算 5,000,000,000ウォン)が韓国側で採択され、2009年6月よりスタートしました。このプロジェクトは、韓国 TAKOMA technologyが中心となって推進し、日本からはナノ炭素研究所(大澤映二社長)、東邦大学理学部化学科 物性化学教室(森山広思 教授)が参加します。
C60のトルエン溶液とフラーレンの分子模型

 化石燃料の枯渇といったエネルギー資源の問題、化石燃料利用での自然環境汚染問題、CO2の排出による地球温暖化問題など様々な問題に対し、これらを解決できるエネルギー源として太陽電池が注目されています。現在、主流で商用化もされている太陽電池はシリコン系の無機太陽電池です。しかし、これは製造するのに高真空や高温処理といった高コストの技術が必要となることや太陽電池用シリコンの生産が限定されていることなどといった問題があります。

 そこで、有機半導体を用いた薄膜系有機太陽電池が注目され、多くの研究機関で開発が進められています。薄膜系有機太陽電池は材料に多様性があり、基板に薄く吹き付けるなどの印刷技術を用いることができるため、非常に薄く柔軟性のあるものを作ることが可能であり、なおかつ低コストで製造することができます。しかし、現段階の薄膜系有機太陽電池はエネルギー変換効率がたかだか6%程度と低く、この性能を上げ、耐久性をもたせることが課題となっています。シリコン系の無機太陽電池のエネルギー変換効率は実用レベルでも20%(理論値では30%)を超えており、薄膜系有機太陽電池を大きく上回っています。また、薄膜系有機太陽電池で注目されているフラーレン誘導体PCBMは非常に高価で、材料コストがかかるという問題があります。本プロジェクトでは、高価なPCBMに替わるフラーレン誘導体を使用した薄膜系有機太陽電池の開発を目指します。このPCBM代替フラーレン誘導体は、本学化学科 物性化学教室により合成法の確立を目指した研究が進められており、確立されれば安価で供給することができます。これを使用し、電極と有機層間の電荷輸送効率を改善して、エネルギー変換効率の飛躍的向上を目指します。

 本プロジェクトにおいて、本学理学部訪問教授の朴 鐘震 博士が橋渡し役となり、各所の連携をとっていただいています。朴 鐘震 博士(前 川村理化学研究所長)、および 1970年にフラーレンの存在を予言したことで著名なナノ炭素研究所 大澤映二社長(豊橋科学技術大学 名誉教授)は、ともに以前 本学連携大学院客員教授を務めていただいたことがあり、日本側は東邦大学を中心に今回の研究協力事業が実現しました。


【お問い合わせ先】
 東邦大学 経営企画部 広報担当   森上 需
 TEL/FAX:047-472-1159 M Phone: 090-8722-8471
 E-mail: press@toho-u.ac.jp