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行政

職種が幅広い行政:住民の健康や環境を守るやりがいの大きさが魅力

 私たちの生活を支える行政にも、薬学の専門知識を生かす場はたくさんあります。国家公務員の場合は国家公務員総合職や国家公務員一般職の試験に合格する必要があります。厚生労働省など国の省庁で法令作りや薬品の安定供給を支えるといったスケールの大きな仕事に携われることが魅力です。薬物犯罪に関わる捜査を行う麻薬取締官も厚生労働省の国家公務員ですが、女性の被疑者が増えている昨今、女性取締官の活躍に対する期待も高まっていると言われています。

 地方公務員の場合は、各自治体の試験に合格することが必要となります。自治体内の関係部署や保健所に勤務して医療行政や保健行政に携わったり、自治体が運営する医療機関で専門性を発揮するなど、多方面から地域の衛生を監視し、住民の健康を守る役割を担うことができます。職種や業務内容はさまざまで、公立病院に薬剤師として勤務する場合をはじめ医療行政では、安全な医薬品の供給のために医薬品・医療機器などを製造するメーカーへの立ち入り検査・指導を行ったり、新規薬局の開設許可や立ち入り検査・指導を担当したり、衛生監視では大気汚染や水質汚濁の調査・検査・指導などの環境衛生、飲食店などの食品衛生を管理するといった仕事もあります。さらには麻薬取締官として指導や取り締まり、薬物乱用防止の啓発活動などを行う部署もあります。

 そのほか、消費者センターなどに勤務したり、治験の支援業務、行政研究機関での研究や試験検査などに携わるケースなどもあり、職種が多岐にわたるため、必ずしも希望する部署に配属されるとは限りませんが、住民の健康や、より安全で住みやすい社会をつくりたいという気持ちをもつ人にとっては魅力ある職業と言えるでしょう。
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