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副鼻腔真菌症にみられた真菌塊の病理組織学的および分子生物学的解析

研究の背景および目的

この度、東邦大学医療センター大森病院病院病理学講座において「副鼻腔真菌症にみられた真菌塊の病理組織学的および分子生物学的解析」を実施することになりました。
真菌症は、真菌(いわゆるカビ)によって引き起こされる感染症です。後天性免疫不全症候群、悪性腫瘍、膠原病など免疫能が低下している患者さんでは重症化することが知られています。また移植医療、悪性腫瘍に対しての抗腫瘍薬の使用、生物学的製剤の自己免疫疾患等へのさまざまな疾患への適応の拡大といった化学療法の進化からも、今後も日和見感染のリスク要因は上昇傾向を続けると考えられます。
さらに、分子生物学的手技は細菌やウイルスなどの感染症の起因菌の診断精度の上昇に寄与し、広く用いられていますが、真菌においては分離、培養における菌の同定が困難な症例が多く、分子生物学的な手法を含め、菌株同定の手法は十分とは言えないのが現状です。日和見感染において重症度の高い真菌感染症の位置づけの重要度は高いと考えられ、真菌感染症の診断の確立が急務であると考えられます。

研究対象および方法

本研究は2000年から2018年までに、東邦大学医療センター大森病院耳鼻咽喉科において施行された副鼻腔真菌症の手術検体から、病理検査目的で作製されたホルマリン固定パラフィンブロックを用いてpolymerase chain reaction (PCR)法やin situ hybridization (ISH)法等の分子生物学的手技を用いて菌種の同定を行います。
原因菌種を同定することは各々の真菌に感受性の高い抗真菌薬を選択する上で非常に有用な手段であり、副鼻腔真菌症の診断や治療法の改善につながります。
本研究では患者様の情報 (年齢、性別、基礎疾患のみ)も解析対象として含んでおりますが、手術時期などを含め、個人を特定できるような情報を利用した解析は行いません。従って、本研究で得られた結果が医学的な専門学会や専門雑誌等で報告されることがありますが、個人を特定できるような情報が外部に漏れることは一切ありません。
また本研究における分子生物学的手法については、真菌遺伝子に関することのみに限り、ヒト遺伝子は一切取り扱いません。
本研究は東邦大学医学部病院病理学講座の講座研究費を用いて行います。この件に関しては患者様には費用は一切発生いたしません。

本研究に関してご質問のある方、臨床情報や解析結果を研究に利用することを承諾されない方は下記にご連絡下さい。承諾されない場合には速やかに症例情報および解析結果の削除を行います。

連絡先および担当者

東邦大学医学部 病院病理学講座
研究責任者: 若山 恵
講座責任者: 澁谷和俊
連絡先: 研究相談窓口
03-3762-4151 (内線3451)

お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151