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全自動尿中有形成分分析装置を用いたグラム陽性菌/陰性菌の識別性能の確認に関する研究

この度、東邦大学医学部微生物・感染症学講座において「全自動尿中有形成分分析装置を用いたグラム陽性菌/陰性菌の識別性能の確認に関する研究」を実施いたします。
現在、細菌による膀胱炎等感染症対して初期スクリーニング検査にはグラム染色が用いられています。グラム染色は15分程度で結果を確認することが可能な安価な方法で、検体中に105CFU/mL程度の菌量が存在すれば起炎菌を早期に確認することができ、臨床現場における抗菌薬選択において有用な方法です。しかしながら、手技が煩雑である事や、鏡検結果の解釈に熟練が必要とされる事、外来患者に対しては、結果報告が抗菌薬投与までに間に合わないことが多いのが現状です。その結果として、薬剤耐性菌の出現することが懸念され、2016年4月に内閣府から公表された「耐性菌に対するアクションプラン」でも外来における広域スペクトルの抗菌薬の投与を控えることが提案されました。
本研究は、外来における抗菌薬の選択に対応できる、迅速且つ簡便で、客観性の高い測定機器を用いた検査法の開発を目的としています。本検査法が構築できれば、外来でも適切な抗菌薬選択が可能となり、耐性菌の出現抑制はもとより、医療経済および治療効果を上げることに繋がり、社会へも貢献できることが期待されます。
収集する検査データは、検体採取年月日、グラム染色成績、日常検査で得られた菌種同定結果、性別、年齢層およびシスメックス株式会社製の全自動尿中有形成分分析装置による結果であり、提供されるデータに患者個人が特定される情報は含まれません。医学部微生物・感染症学講座でグラム染色方法間において乖離した結果を認めた尿検体は、検体中に存在する微生物ゲノムを対象に次世代シーケンサーで解析しますが、ヒトゲノムに由来する情報は、すべて解析対象外とし、専用のアプリケーションを用いてゲノムデータから自動的に削除します。
ご自身やご家族で上述の情報の研究利用を承諾されない場合、あるいは本研究に関してご質問のある方は下記にご連絡ください。
東邦大学医学部 微生物・感染症学講座
研究責任者 石井 良和
連絡先:研究相談窓口
03-3762-4151(内線2396)
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
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TEL:03-3762-4151