保存検体を用いたレジオネラ属菌特異的遺伝子検出のための試薬チップの性能検討
研究の背景および目的
この度、東邦大学医学部微生物・感染症学講座において「レジオネラ属菌検出試薬の相関試験」を実施いたします。
レジオネラ属菌による感染症は重篤であるにもかかわらず、他の病原体による感染症との鑑別が困難でした。レジオネラ属菌による感染症は、迅速に診断できれば治療可能と考えらえます。近年、尿中抗原を用いる複数の診断キットが開発され臨床応用されてきました。しかしながら、尿中抗原では多種類存在する血清型のレジオネラ属菌を全て検出できませんでした。一方、ほぼ全てのレジオネラ属菌を検出できる遺伝子検査法は、操作が煩雑で、尿中抗原よりも検査時間がかかりました。この度、操作が簡便で、検査時間の短い新規の遺伝子検査試薬が開発されました。
そこで、東邦大学医学部微生物・感染症学講座では、この新規の遺伝子検査試薬について、現在市販されているレジオネラ属菌検出用の遺伝子検査キットと性能を比較することを目的として本研究を計画しました。
この研究で得られる成果は、レジオネラ属菌検出の診断補助に貢献するとともに、検査時間の短縮化、患者様の負担軽減、医療費の削減につながります。
研究対象および方法
この研究は、東邦大学医学部倫理委員会の承認を得て実施するものです。
2000年~2016年までに東邦大学医療センター大森病院において、レジオネラ症疑いで臨床検査を受けた方(約70例)を対象とします。
臨床検査後に残った試料を用いて、新規遺伝子検査試薬と現在市販されている遺伝子検査キットでレジオネラ属菌の有無を測定し、その性能を比較します。
試験依頼者が当該レジオネラ属菌検出キットを規制当局に申請する際の資料として用います。さらに、医学的な専門学会や専門雑誌等で報告されることがあります。しかし、個人を特定できるような情報が外部に漏れることは一切ありません。ご自身やご家族で上述の情報の研究利用を承諾されない場合、あるいは本研究に関してご質問のある方は下記にご連絡ください。
連絡先および担当者
東邦大学医学部微生物・感染症学講座
職位・氏名:舘田 一博
電話:03-3762-4151 内線 2392
職位・氏名:舘田 一博
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