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末期腎臓病患者における透析脊椎症の検討

本邦における透析患者は、年々増加の一途をたどっています。透析技術の進歩によって血液透析患者の平均余命は延長し、それに伴い透析脊椎症患者も増加傾向にあります。その病態は椎間板、後縦靱帯、滑膜組織など脊椎を構成する組織にアミロイドが沈着し、局所に炎症反応を生じた結果、骨・軟骨破壊が進行することとされています。したがって透析期間が長期になるほど透析脊椎症は増加するとされています。しかしながら近年、透析期間が10年未満の症例でも透析脊椎症を認めます。また手術時、骨破壊があった部位の組織を調べてもアミロイド沈着を認めない症例も散見されます。つまり組織へのアミロイド沈着だけでなく、他の因子も透析脊椎症の発症に関与している可能性も考えられます。

そこで透析患者に対して、原疾患、透析歴を調査するとともに、経時的に腰椎・頸椎X線検査、骨形成マーカー、吸収マーカー、骨密度測定などを実施、なおかつ対象者が万が一、手術に至った場合には、組織を採取して病理組織学的検討を行うことにより、透析と脊椎病変の因果関係について調べることを目的としました。まずは横断的に検討し、年数をかけて同一の患者を追跡し縦断的な検討を行いたいと思っております。

透析患者は、骨密度の低下、骨質が悪化することが知られていますが、整形外科と協力し、骨の状態を詳細に調べた検討は認めません。また、透析脊椎症の病態も完全には解明されておらず、本研究により病態の解明、将来的には透析脊椎症の予防の一助になることを期待して降ります。

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東邦大学医学部 整形外科学講座
研究責任者 高橋 寛
研究担当者 飯田 泰明
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