医学部

メニュー

二次がん発症に関与する生殖細胞系列のがん関連遺伝子変異の探索

このたび、東邦大学医学部小児科学講座において、「二次がん発症に関与する生殖細胞系列のがん関連遺伝子変異の探索」を実施いたします。

小児がんの治療成績は、この30-40年の間に劇的に改善し、多くの小児がんの患者さんが病気を克服して長期に生存できるようになりました。そのために、治療が終わってから長期が経過した後の問題である「晩期合併症」が重要な問題となりつつあります。
「二次がん」は、小児がんを経験した患者さんの晩期合併症のひとつであり、小児がんの治療において重要な課題です。この研究では、近年進歩した遺伝子解析技術を用い、二次がんと関連する生殖細胞系列のがん関連遺伝子の変異を特定することで、がんに関係する遺伝的な体質をもっていないかどうかを調べることを目的としています。解析対象となる遺伝子は、生殖細胞系列の異常として発がんとの関連が報告されたTP53、NRAS、GATA1、PAX5、IKZF1、APC、BRCA1/2等であり、標的領域塩基配列法(ターゲットシーケンス法)を用いて変異の有無を検索します。二次がん発症の可能性を推定することで、適切な治療が可能となり、小児がん患者さんの晩期合併症の軽減につながることが期待されます。

対象となる患者さん

大森病院小児科で小児がんの治療(化学療法、外科療法、放射線療法、造血細胞移植)を受け、のちに二次がんを発症した患者さん

ご提供いただきたい資料

初回のがんと二次がんに関する臨床情報、初回のがんと二次がんから得られた組織で東邦大学に保管されていたものの一部(残っている場合のみ)、および血液数mL(あるいは頬粘膜擦過液)です。

なお、この研究に参加することによって対象患者さんの健康に対する不利益、危険や疼痛を伴う処置が新たに発生することはありません。臨床情報や検体提出の際は患者さん個人を特定し得るような情報は用いず、匿名コードを使用して匿名化します。
なお、小児がんは単一遺伝子疾患ではないため、この研究では患者さんご自身やご家族の健康状態に直接影響を与える発見が得られるものではありません。そのため、この研究で得られた情報を開示することはいたしません。

以上、ご不明の点があればご自由に担当医または研究責任者にお尋ね下さい。

研究責任者:東邦大学医学部・小児科学講座(大森)
准教授 高橋浩之
連絡先:東邦大学医学部研究相談窓口
03-3762-4151(内線2222)
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151