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泌尿器科学講座(佐倉)

所属教員名

鈴木 啓悦 / 教 授
高波 眞佐治/ 教 授
神谷 直人 / 准教授
矢野 仁  / 講 師
上島 修一 / 助 教
西見 大輔 / 助 教
遠藤 匠  / 助 教
岡 了   / 助 教

運営責任者

講座の概要

佐倉病院泌尿器科は平成3年の佐倉病院開院とともに開設され、当初研究室として運営されていましたが、現在は泌尿器科学講座(佐倉)となっております。開院時は、大森病院の泌尿器科学講座より中山孝一先生が初代泌尿器科部長・助教授として着任されました。中山先生が御開業のため退職され、平成8年3月に高波眞佐治が第2代泌尿器科部長・助教授として着任し、平成10年5月に教授に昇任されました(現在リプロダクションセンター長併任)。泌尿器腹腔鏡センターの開設とともに平成22年4月に鈴木啓悦が教授として着任し、平成23年4月から第3代泌尿器科部長(診療科責任者)となっております。
現在教授2名、准教授1名、講師1名、助教4名、シニアレジデント1名、レジデント6名(1名出向中)の人員で運営されています。千葉県内では千葉大学に次ぐ規模となっております。泌尿器腹腔鏡技術認定医も5名在籍しており、腹腔鏡手術や内視鏡手術といった低侵襲手術に積極的に取り組んでいるほか、学会活動にも積極的に取り組んでおり、学内外の多くの学会賞も受賞している活気あふれる講座となっています。若手泌尿器科医の育成をふくめて、教育・診療・研究に医局員一同、日々努力しています。

研究の概要

下記に箇条書きにてお示しします研究を主な柱に行って参りました。悪性腫瘍に関しては,鏡視下手術を中心とした各種手術術式の改良や周術期管理に関するものなどの診療に立脚したもののほか,特に前立腺癌をはじめとする泌尿器悪性腫瘍や尿路結石に関する内視鏡手術といった低侵襲手術をメインテーマとしております。また、バイオマーカー検索などPrecision Medicineにも積極的に取り組んでいます。
鈴木教授が専門の前立腺癌に関して言えば、診断から治療に至るまでを研究対象としております。国内外の臨床試験、たとえばPRIAS-JAPAN(PSA監視療法に関しての世界的共同研究)などへも積極的に参加しております。また,前立腺癌に関する診療ノモグラム作成や新規バイオマーカー検索についても,継続して行っております。国内および海外との前立腺癌に対する新規薬剤の臨床試験に関しても,常に5-8程度のプロトコールのエントリーおよびフォローアップが行われております。また、鈴木教授は、世界的な進行性前立腺癌のグローバル・コンセンサス会議であるSt.Gallen Advanced Prostate Cancer Consensus Conferenceの日本代表パネルメンバーであり、前立腺癌診療ガイドライン作成委員でもあります。
 高波教授が,産婦人科と共同でリプロダクションセンターにて,我が国をリードする性機能・不妊症の研究を継続されているほか,神経内科・榊原准教授と排尿機能に関しても積極的に研究テーマに取り組んでおります。  競争的公的研究費の獲得につきましても,常に複数の研究テーマが科学研究費補助金に採択されております。また,医局員が多くの受賞や助成金の取得をしております。
  1. 尿路結石症に関する研究:特に治療におけるESWLおよび内視鏡手術(PNL/TUL)に関して
    1. ESWLによる尿路結石の治療成績のノモグラムでの予測モデルの作成と検証
    2. flexible TULおよびPNLの術式のアウトカムの検証と術式の改善
    3. TAP(TUUL-assisted PNL)の術式の改良
    4. 尿路結石に伴う敗血症の重症度予後予測マーカーの開発
  2. 尿路腫瘍に関する研究:特に膀胱癌への集学的治療に関して
    1. 膀胱癌の膀胱内再発予防に関する研究(特にpT1以下high-grade腫瘍への膀胱内注入に関して)
    2. 膀胱癌における2nd-look TUR-Btの有用性に関する臨床的検討
    3. MVAC/GC療法後の2nd-line chemothrapyの有効性と安全性の検討
    4. 膀胱癌の内視鏡手術の病理学的アウトカム予測モデルの開発
  3. 前立腺癌に関する研究
    1. 新規去勢抵抗性前立腺癌治療薬の最適化治療戦略に関する研究
    2. ホルモン療法の治療戦略に関しての予測モデルの作成
    3. 放射線医学総合研究所・重粒子線治療におけるプロトコール開発
    4. 病理予測モデルの開発(特にGleason upgradingに関しての多施設共同研究)
    5. PSA監視療法の適正化(PRIAS JAPANでの全国多施設研究)
    6. 前立腺癌の診断に関する新規バイオマーカー検索
    7. 前立腺癌のホルモン療法の心血管イベントへの影響を調査する
    8. 前立腺癌の骨代謝マーカーと骨質に関する研究
    9. 前立腺癌に対する新規薬剤の臨床開発
  4. 腎癌に関する研究
    1. 進行性腎癌に対する分子標的薬の適正使用に関する研究
    2. 腹腔鏡下腎部分切除術の術式の改善に関する研究
    3. 腎癌のサイトカインを中心とした増殖機構の解析とその臨床応用
  5. 鏡視下手術に関する研究
    1. Real-timeでの腹腔鏡画像の開発
    2. 腹腔鏡手術の新規機器開発
  6. 副腎腫瘍に関する研究
    1. 原発性アルドステロン症における腹腔鏡手術後の降圧をふくめたマネジメント
    2. 原発性アルドステロン症における術後の高血圧改善および降圧剤使用の予後予測モデルの作成
    3. 褐色細胞腫の周術期管理に関するマネジメント向上のためのアウトカム解析
  7. 排尿機能の診断と治療に関する研究
    1. 難治性排尿障害症例における尿流動態検査(UDS)を中心とした診断・治療に関する排尿機能研究。特に神経疾患による排尿障害の病態解明と治療選択に関して(一部,神経内科と共同で)
    2. 5α還元酵素阻害薬使用中のPSA推移と前立腺組織構築・MRI画像の相関に関する研究
    3. 認知症疾患およびパーキンソン病の排尿障害の病態および治療に関する研究
  8. 尿路感染症に関する研究
    1. 急性膀胱炎の起炎菌および適正抗生剤の使用に関する研究
    2. 発熱性尿路感染症の予後予測モデルの確立

代表論文

  1. Leinonen KA, Saramai OR, Furusato B, Kimura T, Takahashi H, Egawa S, Suzuki H, Keiger K, Hahm SH, Isaacs WB, Tolonen TT, Stenman UH, Tammela TLJ, Nykter M, Bova GS, Visakorpi T: Loss of PTEN is associated with aggressive behavior in ERG positive prostate cancer. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 22:2333-2344, 2013
  2. Kamiya N, Suzuki H, Ueda T, Sato N, Nakatsu H, Mikami K, Sato N, Nomura K, Akakura K, Okano T, Ooki T, Naya Y, Ota S, Masai M, Ichikawa T: Clinical outcomes by relative docetaxel dose and dose intensity as chemotherapy for Japanese patients with castration-resistant prostate cancer: a retrospective multi-institutional collaborative study. Int J Clin Oncol 19(1):157-164, 2014
  3. Utsumi T, Suyama T, Imamura Y, Fuse M, Sakamoto S, Nihei N, Ueda T, Suzuki H, Seki N, Ichikawa T: The association of CXCR3 and renal cell carcinoma metastasis. J Urol 192(2):567-574, 2014
  4. Utsumi T, Kamiya N, Endo T, Yano M, Kamijima S, Kawamura K, Imamoto T, Naya Y, Ichikawa T, Suzuki H: Development of a novel nomogram to predict hypertension cure after laparoscopic adrenalectomy in patients with primary aldosteronism. World J Surgery 38(10): 2640-2644, 2014
  5. Endo T, Kamiya N, Suzuki H, Oka R, Lee F-C, Utsumi T, Yano M, Kamijima S, Kawamura K, Imamoto T, Ichikawa T: Bone markers predict survival in castration-resistant prostate cancer patients treated with docetaxel. World J Clin Urol 3 (2): 139-143, 2014
  6. Gillessen S, Omlin A, Attard G, de Bono JS, Efstathiou E, Fizazi K, Halabi S, Nelson PS, Sartor O, Smith MR, Soule HR, Akaza H, Beer TM, Beltran H, Chinnaiyan AM, Daugaard G, Davis ID, De Santis M, Drake CG, Eeles RA, Fanti S, Gleave ME, Heidenreich A, Hussain M, James ND, Lecouvet FE, Logothetis CJ, Mastris K, Nilsson S, Oh WK, Olmos D, Padhani AR, Parker C, Rubin MA, Schalken JA, Scher HI, Sella A, Shore ND, Small EJ, Sternberg CN, Suzuki H, Sweeney CJ, Tannock IF, Tombal B: Management of patients with advanced prostate cancer: Recommendations of the St.Gallen Advanced Prostate Cancer Consensus Conference (APCCC) 2015. Ann Oncol 26 (8): 1589-1604, 2015
  7. Utsumi T, Oka R, Endo T, Yano M, Kamijima S, Kamiya N, Fujimura M, Sekita N, Mikami K, Hiruta N,Suzuki H: External validation and comparison of two nomograms predicting the probability of Gleason sum upgrading between biopsy and radical prostatectomy pathology in two patient populations: a retrospective cohort study. Jpn J Clin Oncol 45 (11): 1091-1095, 2015
  8. Oka R, Utsumi T, Yano M, Kamijima S, Kamiya N, Shirai K, Suzuki H: Effect of androgen deprivation therapy on arterial stiffness and serum lipid profile changes in patients with prostate cancer: a prospective study of initial 6-month follow-up. Int J Clin Oncol 21(2): 389-396, 2016
  9. Suzuki H, Inoue Y, Fujimoto H, Yonase J, Tanabe K, Fukasawa S, Inoue T, Saito S, Ueno M, Otaka A, Murakami K, Ishihara K, Kaji Y, Kuroki Y, Koizumi K, Yoshimura M, Takahashi H: Diagnostic performance and safety of NMK36 (trans-1-Amino-3-[18F] fluorocyclobutanecarboxylic acid)-PET/CT in primary prostate cancer: Multicenter phase IIb clinical trial. Jpn J Clin Oncol 46(2): 152-162, 2016
  10. Wakai K, Utsumi T, Oka R, Endo T, Yano M, Kamijima S, Kamiya N, Hiruta N, Suzuki H: Clinical predictors for high-grade bladder cancer before first-time transurethral resection of the bladder tumor: a retrospective cohort study. Jpn J Clin Oncol 46:964-967, 2016

教育の概要

学部

泌尿器科学の講義を、鈴木啓悦教授と高波眞佐治教授が担当しています。
平成27年度からは、M5ベッドサイド実習の3分の1が、佐倉病院泌尿器科で実習を行っており、1週間の実習ですが、担当手術患者を通じて、泌尿器科疾患の診断・治療を中心に、疾患に関連する事項に関して自習も含めて、幅広い視野をもった実習を心がけています。
M6クリニカルクラークシップ実習では、平成28年は各2名づつ3期で合計6名が佐倉病院泌尿器科で実習されました。M5実習よりもより高度に、自ら学ぶ姿勢を高めてもらえように、患者さんを通じた実習のほか、英文原著論文の翻訳・理解・発表をしてもらいました。

大学院

大学院講義では、鈴木啓悦教授が「前立腺疾患」の講義を担当しています。さらに平成27年に岡了が大学院で学位を取得し、テーマは「前立腺癌ホルモン療法における代謝異常とCAVIでの血管抵抗の変化」で、“Oka R, Utsumi T, Yano M, Kamijima S, Kamiya N, Shirai K, Suzuki H: Effect of androgen deprivation therapy on arterial stiffness and serum lipid profile changes in patients with prostate cancer: a prospective study of initial 6-month follow-up. Int J Clin Oncol 21(2): 389-396, 2016”として学会報告し注目を集めました。
大学院希望者は、積極的に進学を推奨し、基礎的もしくは臨床的テーマに取り組んでいます。

診療の概要

外来は毎日原則4-5名での新規・再来患者の診察を行っているほか,各種専門外来を火曜日除く午後におこなっております。専門外来は,前立腺・内分泌,腹腔鏡・腫瘍,尿路結石,排尿機能,尿路感染症,男性機能に関して行っています。
泌尿器腫瘍診療については,腎・副腎・尿路腫瘍を中心に腹腔鏡手術による低侵襲治療を心掛けております。腹腔鏡手術の件数は年々増加しております。当科には泌尿器腹腔鏡技術認定医5名が在院しており,より低侵襲治療を安全に患者さんに提供しています。またすべての癌を対象に,分子標的薬や抗癌剤治療などを積極的に取り入れ,外来化学療法や放射線治療も活用して,集学的な癌治療を提供しております。
尿路結石治療については,体外衝撃波結石破砕機(ESWL)・経尿管的結石破砕術(TUL)・経皮的腎結石破砕術(PNL)のすべてのアプローチが可能となっております。広い範囲から患者様をご紹介いただき,多くの結石患者様の診療を行っております。平成25年からは,珊瑚状結石に対してTAP(TUL-assisted PNL)を導入することで,大きな腎結石の治療の効率化が図られております。
排尿障害に関しては、神経内科と協同で排尿機能検査を積極的におこなっております。また,経尿道的内視鏡手術システムも,水中毒のないバイポーラ型を使用しており,より安全に大きな前立腺などを切除可能になりました。患者さんのQOLも考慮して,薬物療法と手術療法のバランスのよい治療を心掛けております。

その他

社会貢献

佐倉病院泌尿器科では、院内外での市民公開講座を年1-2回行って、市民への泌尿器科疾患の啓蒙活動に積極的に取り組んでいます。
また、印旛市郡医師会をはじめとする周辺3医師会ならびに周辺医療機関泌尿器科のご協力を得て、診療圏内での泌尿器科の医療連携強化を目的に,千葉県央泌尿器科医療連携協議会を設立し,2012年1月以降千葉県央泌尿器科医療連携フォーラムを毎年行っています。 2016年7月に第6回が行われました。当院のみならず,周辺地区の泌尿器科専門医とかかりつけ医の先生方の有益な情報交換の場となっています。

学会活動

鈴木啓悦教授が、日本泌尿器科学会の理事・代議員・男女共同参画委員会委員長・専門医制度審議会委員・日本アンドロロジー学会・理事、日本泌尿器内視鏡学会・代議員・国際委員会委員,泌尿器科分子・細胞研究会世話人,日本泌尿器科腫瘍学会・代議員,腎泌尿器予防医学研究会世話人,放射線医学総合研究所重粒子線治療・ネットワーク会議計画部会泌尿器分科会委員および泌尿器腫瘍研究班・班員,筑波大学陽子線医学利用研究センター・効果安全性評価委員のほか、World Journal of Urology, International Journal of Urology,International Journal of Clinical Oncology,Japanese Journal of Clinical Oncology, 泌尿器科紀要などの学術雑誌の編集委員として活動しています。
また鈴木教授は、新専門医制度の発足にあたり、以前は日本専門医機構泌尿器科領域研修委員会委員として、現在は日本泌尿器科学会の専門研修プログラム管理委員会委員として、泌尿器科領域の専門研修プログラムの認定に携わっています。また男女共同参画担当の理事を務めています。
高波眞佐治教授が、日本性機能学会・理事,日本思春期学会・常務理事,日本性科学会・理事,日本ストーマリハビリテーション学会・理事などを務めています。
鈴木啓悦教授が、平成29年2月18日に、第6回日本泌尿器病理研究会(JSUP)を会長として主催する予定です。
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151