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泌尿器科学講座(大森)

所属教員名

中島 耕一 / 教 授
永尾 光一 / 教 授
小林 秀行 / 准教授
青木 九里 / 講 師
山辺 史人 / 助 教
田井 俊宏 / 助 教
三井 要造 / 助 教
清水 俊博 / 助 教
中島 陽太 / 助 教

運営責任者

講座の概要

泌尿器科学教室は、帝国女子医学専門学校時代の皮膚泌尿器科学教室から1965年に分離、独立しました。 初代教授の安藤弘先生、第2代の白井将文先生、第3代の石井延久先生と引き継がれ、2011年4月より第4代の中島耕一が教室を主宰しています。 また、白井将文先生の時代には泌尿器科と婦人科が合同で全国初のリプロダクションセンターを開設し、現在は、永尾光—が同センターの教授を務めています。

研究の概要

<男性不妊症の解明を目指した幹細胞研究>
小林が中心となり、男性不妊症の解明を目指して、ヒト精原幹細胞やヒトiPS細胞の研究を行なっています。最近では、47XXYであるクラインフェルター症候群の精巣組織から繊維芽細胞を樹立し、その細胞に、IPS細胞を誘導する因子であるOct4、KIf4、Sox2、c-Mycを、センダイウイルスを用いて導入しiPS細胞の誘導に成功しました。
さらに、クラインフェルター症候群由来iPS細胞から心筋様細胞まで分化させることができました(Shimzu T,Kobayashi H,et al Reprod Med Biol.15,35-43,2016))。今後は、このiPS細胞を用いて、男性不妊症の鍵となる遺伝子スクリーニング解析を目指していきます。マウスを用いての生殖医学の研究は進んでいますが、当科では、男性不妊症患者が多く訪れ、男性不妊症の研究には申し分ない環境が整つています。これまでにも様々な受賞や、通年での科研費も獲得しており、これからの若手医師も、学位を目指した研究ができる環境が整っています。

<腎細胞癌に対する波焼灼療法>
小径腎細胞癌(3cm以下の腎細胞癌)に対しラジオ波焼灼療法の臨床的研究を行っております。小径腎細胞癌に対する治療としては腎機能の保持、全死亡率、非癌関連死亡率を低下させる可能性があり、腎部分切除術が推奨されています。実際後述する通りダビンチシステムを用いた腎部分切除も行っておりますが、全身状態および合併症により全身麻酔下に手術が困難な患者さんが存在します。その際のoptionとしてラジオ波焼灼療法は治療の一つとして考えられております。当院でのラジオ波焼灼療法の適応症例としては、腫瘍径3cm以下で、高齢および合併症のため根治手術困難な症例、片腎(先天性、腎摘後の対側再発例など)、腫瘍が腎臓の外方に突出しているものを考えております。腫瘍が多発しており、腫瘍径3cm以上、腎孟および腎動静脈近傍の腫瘍、呼吸を十分とめることが出来ない方は困難症例となりますが、より広く安全に本治療が適応できるよう検討を進めております。

<前立腺癌ホルモン療法におけるホットフラッシュの発現機序の研究>
前立腺癌のホルモン療法時の副作用の一つであるホットフラッシュのメカニズムについての研究を行っております。前立腺がんは、男性ホルモンの影響によって進行することがわかっています。そのため前立腺がんの治療にはLH‐RHアゴニスト(男性ホルモンの分泌を抑える)と抗アンドロゲン剤(男性ホルモンの働さを抑える)を使ったホルモン療法が広く行われています。男性ホルモンを抑制する治療は前立腺がんの進行を抑える効果が得られる半面、しばしば好ましくない影響を及ぼすことがあります。ホットフラッシュはホルモン療法中にしばしば認められる副作用で、女性の更年期障害の症状に似ており、顔面や頸や体が赤く変色したり、ときにはひどく汗をかくなどの症状が数分から数十分継続することもあります。ホットフラッシュはLH‐RHアゴニストや抗アンドロゲン剤によってホルモンバランスが崩れることをきっかけに起こると言われていますが、どのようなタイプの症例でホットフラッシュが起こりやすいかは良く分かっていません。そこで、ホルモン療法を開始前と開始後のテストステロンの変化が大きい症例はホットフラッシュが発現しやすいという研究仮説を立て研究を進めております。

<その他>
カリフォルニア大学サンフランシスコ校泌尿器科 Rajvir Dahiya教授研究室との共同研究を行っています。

代表論文

  1. Mitsui Y, Shiina H, Kato T, Maekawa S, Hashimoto Y, Shiina M, Imai-Sumida M, Kulkarni P, Dasgupta P, Wong RK, Hiraki M, Arichi N, Fukuhara S, Yamamura S, Majid S, Saini S, Deng G, Dahiya R, Nakajima K, Tanaka Y.: Versican Promotes Tumor Progression, Metastasis and Predicts Poor Prognosis in Renal Carcinoma. Molecular cancer research. 10.1158/1541-7786.MCR-16-0444 ,2017
  2. Mitsui Y, Chang I, Kato T, Hashimoto Y, Yamamura S, Fukuhara S, Wong DK, Shiina M, Imai-Sumida M, Majid S, Saini S, Shiina H, Nakajima K, Deng G, Dahiya R, Tanaka Y: Functional role and tobacco smoking effects on methylation of CYP1A1 gene in prostate cancer. Oncotarget 7 (31):49107 -49121,2016
  3. Shimizu T, shiohara M, Tai T, Nagao K, Nakajima K, Kobayashi H: Derivation of integration‐free iPSCs from a Klinefelter syndrome.Reprod Med Biol.15,35‐43, 2016.
  4. Hirata H, Hinoda Y, Shahryari V, Deng G, Nakajima K, Tabatabai ZL, Ishil N, Dahiya R.:Long Noncoding RNA MALATl Promotes Aggressive Renal Cell Carcinoma through E2h2 and lnteracts with miR‐205,Cancer research 75(7): 1322‐1331,2015
  5. Ozaki Y, Nagao K, Saigo R, Tai T, Tanaka N, Kobayashi H, Nakaima K, Takahashi Y: Sexual Problems among Japanese Women. Sexual Medicine open access : Article first published oniine, 2015
  6. Taniguchi H, Iwamoto T, Ichikawa T, Nagai A, Okada H, Fujisawa M, Tsujlmura A, Shiraishi K, Hibi H, Nagao K, Iwasaki A, Kamba T, Tomomasa H, Takada S, Matsuda T: Contemporary outcomes of seminal tract re‐anastomoses for obstructive azoospermia: A nationwide Japanese survey.Int. J.Urol.22(2):213‐218,2015
  7. 鈴木九里 :CHAPTER 4 重症心身障害児(者)のケアの実際、排泄ケア、排尿障害.写真でわかる重症心身障害(児)者のケア 人としての専厳を守る療育の実績のために. 213‐214,株式会社 インターメデ ィカ,東京, 2015
  8. Hideyukl Kobayashi, Toshihiro Tai, Koichi Nagao and, Koichi Nakajima: The Mini pig— A New tool in Stem Cell Research Pluripotent Stem Cell Biology 197‐209.InTech, RIJeka, Croatia, 2014
  9. Nagao K, Tal T, 0zaki Y, Kobayashi H, Nakajima K: Gaps Between Actual and Desired Sex Life:Web Survey Of 5665 Japanese Women. JOURNAL OF SEX&MARITAL THERAPY 40(1):33‐42, 2013
  10. Kobayashi H, Nagao K, Nakajima K: Human testis-derived pluripotent cells. Pluripotent Stem Cells:117‐130,2013

教育の概要

学部

4年次の系統講義を、3病院の教員および客員教授に協力を得ながら実施しています。大森の責任者は教育コーディネーターを兼務しており授業計画の策定を司っています。また5年・6年次の臨床実習生を受けいれ豊富な症例を背景にbed side teachingを行っています。ここ数年は他学の6年次における学外実習生の応募もありこれを受け入れています。

大学院

泌尿器科領域は臨床から基礎領域まで非常な速さで進歩を遂げており、我々も常にcatch upする必要があります。また専門医取得前後の卒後教育課程にある医員はその手段として大学院進学があります。大学院博士課程では自ら課題を見出し、その解決に向けて実験計画あるいは臨床研究を立案、実行し、さらにその結果を学会発表・論文作成により対外的に発信する必要があります。大学院講義は中島・永尾・小林と大橋・佐倉の教員により分担されています。

診療の概要

良性・悪性疾患を問わず標準的治療を実施できる体制を整えています。良性疾患では、尿路結石の治療の充実があります。特にホルミウムレーザーと軟性尿管鏡を使用した経尿道的尿管結石破砕術(TUL)や経皮的腎結石破砕術(PNL)にて地域における難治例に対して加療を行っています。また、前立腺肥大症に対しても、従来の経尿道的前立腺切除術(TURP)以外に、経尿道的レーザー前立腺核出術(HoLEP)も施行しています。女性骨盤臓器脱においては自己筋膜を用いた新しい術式を展開しております。また最近では尿道狭窄に対しても口腔粘膜を用いた修復術に取り組んでおります。
悪性疾患の手術療法に関して、腹腔鏡による手術を積極的に行なっています。膀胱がんに対する膀胱全摘出術も腹腔鏡手術にて行っております。前立腺癌に関しては、手術支援ロボット(da Vinci)を用いた手術を行なっています。また保険適応に伴いダビンチシステムを用いた腎細胞がんに対する腎部分切除も開始しました。
その他尿路感染症では急性単純性膀眺炎、急性単純性腎孟腎炎などから、結石による腎孟腎炎、気腫性腎孟腎炎、膿腎症、感染性腎嚢胞、腎膿瘍、前立腺膿瘍などの重症度の高い疾患も多く、幅広く対応しております。またリプロダクションセンターの協力のもと、精巣腫瘍化学療法前の精子凍結保存や骨盤手術後の性機能温存にも取り組んでおります。

その他

社会貢献

  1. 青木九里:女性の健康づくり講演会5 シニア世代の女性の健康~女性のデリケートな問題とのつきあい方~平成26年3月5日 東京都大田区
  2. 中島耕一:排尿機能回復のための治療とケア講座(日本慢性医療学会主催)講師
  3. Jonan Urological Innovative Conferenceの主催(日本泌尿器科学会の参加点が取得可能)。

学会活動

  1. 平成29年5月27日(土):第151回関東生殖医学会を永尾光—が会長で開催しました。持田製薬(株)ルークホール
  2. 2020年9月開催予定:Biennially World Meeting of Sexual Medicine(International Society of Sexual Medicine)会長:永尾光一
  3. 2020年9月開催予定 第85回日本泌尿器科学会東部総会 会長:中島耕一
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151