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小児科学講座(大森)

所属教員名

小原 明  /教 授
松裏 裕行 /教 授
佐藤 真理 /准教授
高橋 浩之 /准教授
中山 智孝 /講 師
渡辺 美砂 /講 師
高月 晋一 /講 師
長谷川 慶 /助 教
早乙女 壮彦/助 教
羽賀 洋一 /助 教
麻生 敬子 /助 教
松岡 正樹 /助 教
澤 友歌  /助 教
池原 聡  /助 教

運営責任者

講座の概要

 当講座は小原明教授以下、学内総勢22名(H29.12現在)で構成しています。特に血液腫瘍、循環器、内分泌、アレルギー、腎疾患、感染症、救急医療を得意分野とし、医療センター3病院の小児科学講座に加え新生児学講座とも密に交流して幅広い小児科学の臨床・研究を行っています。臨床面では神経は舘野昭彦教授(佐倉病院小児科)、消化器・肝臓病は藤澤知雄先生(日本小児肝臓研究所理事長)にも専門外来担当を御願いしています。2015年には論文39編、学会発表134回;2016年には論文36編、学会発表95回の業績を上げていて、これらの業績は臨床と同様に多分野に亘り高い評価を得ています。教室員は専門分野に拘らず熱心に楽しく研究に臨床に励み、充実した日々を送っているだけでなく、教室員全員が臨床医学教育に熱心な教室と自負しています。

研究の概要

 私どもの教室には6分野のサブスペシャリティー診療研究グループがあります。小児血液腫瘍は臨床試験参加患者が多く、関連各診療科、コメディカルスタッフと協力して集学的総合的な診療に取り組んでいます.小児循環器は先天性心疾患,川崎病はもちろんのこと特発性肺高血圧症に関する先進的な治療研究が盛んです.小児心臓血管外科の周術期管理にも積極的に関与しています。小児腎臓診療は腎臓学講座の小児腎臓グループと協働しながら多数の患者の診療を行っています。小児内分泌は成長障害を中心に内分泌疾患全般、さらに小児がん患者の発育や性腺錐体への影響を長期にフォローアップしています。アレルギー分野は近隣医療機関との連携が密であり、地域研修など積極的に企画実行しています。感染症は内科感染症科や医学部基礎の感染症細菌学教室と協働して診療研究を行っています。
 対外活動としては、小原教授(教室運営責任者)は日本小児血液・がん学会の疾患登録責任者として、全国の血液疾患と小児がんのデータベース構築、長期予後に関する研究と、TCCSG(東京小児がん研究グループ)会長として小児白血病多施設共同臨床試験の解析を指揮しています。高橋准教授は日本小児がん研究グループ AML委員会で小児AML治療研究の立案と解析に携わっています。松裏教授は、日本小児科学会小児救急委員長、日本小児救急医学会理事・社会保険委員長、日本川崎病学会幹事、日本JPIC学会評議員などとして活動しています。
 循環器班は先天性心疾患、肺高血圧症、川崎病の3領域を大きな診療・研究の柱として活動するとともに、学校心臓検診に積極的に協力しています。先天性心疾患について診断と内科的治療に加え、カテーテル治療(動脈管開存や肺動脈弁狭窄症など)も積極的に行い優れた治療成績を挙げてきました。また新生児科および胸部心臓血管外科と密接に連携し、毎週定期的に合同カンファレンスを開いて治療方針を決定しています。肺高血圧は佐地勉前教授が築きあげたアジアをリードする診療実績を受け継ぎ、若年発症の患者さんを中心に多剤併用療法の改善とQOLの向上に務めています。川崎病についても急性期だけでなく遠隔期の冠動脈瘤後遺症治療に当たっています。循環器班の大きな特徴は、小児だけでなく紹介された成人患者さんも積極的に受け入れ診療に当たっていることです。
 内分泌班は骨年齢(骨年齢による成人身長、月経開始時期の予測法など)、先天性甲状腺機能低下症(DUOX2遺伝子の新規変異、卵管造影を施行した女性から出生した児の甲状腺機能異常、oligogenisityの関与など)、ストレス時の副腎機能(副腎皮質機能低下症患者におけるストレス時のステロイド補充方法など)に関する研究を主に行ってきました。また「原発性肺高血圧症患者における甲状腺機能異常」に関して、循環器グループと共同研究を行っています。
 アレルギー班は主に新生児-乳児消化管アレルギーの診療、研究を当院新生児科とも連携して行っています。学外の魚介類アレルギー研究会活動で、魚アレルギー児の予後改善に向けた前方視的な研究を計画しています。妊娠後期の母に投与したプロバイオティクスによる児のアレルギー疾患発症予防効果について、タカナシ乳業研究所、Turku大学と共同研究を行っています。また「新生児期から高年期まで対応した、好酸球性消化管疾患および稀少消化管持続炎症症候群の診断治療指針、検査治療法開発に関する研究」班研究活動、その他「肥満と呼吸機能」や「果物アレルギーによるアナフィラキシー」など、各人が興味を持った分野での臨床研究を積極的に行っていきます。
 腎臓班ではIgA腎症等の腎炎,ネフローゼ,小児腎臓移植,尿路感染症,急性巣状細菌性腎炎などの研究を行っており,「小児ネフローゼ症候群の疾患感受性遺伝子及び薬剤感受性遺伝子同定研究」の研究に参加しています。
 救急医療については、長年に亘る小児救急医療の要としての立場を背景に、地域医療への貢献を念頭におきつつ学会活動を通じて子どもの事故防止や救急医療体制の充実の方策を検討してきました。また二次医療圏における重篤小児調査に協力したり、示唆に富む症例を学会や論文で多数報告しています。

代表論文(10編以内)

  1. Matsuura H; Ichida F; Saji T; Ogawa S; Waki K; Kaneko M; Tahara M; Soga T; Ono Y; Yasukochi S. Clinical features of acute and fulminant myocarditis in children; 2nd nationwide survey by Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery. Circulation Journal 80: 2362 -2368 , 2016
  2. Matsuura H. Cardiac catheterization in children with pulmonary arterial hypertension. Pediatrics International -doi 10.1111/ped.13161 , 2016
  3. Takahashi H, Watanabe T, Kinoshita A, Yuza Y, Moritake H, Terui K, Iwamoto S, Nakayama H, Shimada A, Kudo K, Taki T, Yabe M, Matsushita H, Yamashita Y, Koike K, Ogawa A, Kosaka Y, Tomizawa D, Taga T, Saito AM, Horibe K, Nakahata T, Miyachi H, Tawa A, Adachi S High event-free survival rate with minimum-dose-anthracycline treatment in childhood acute promyelocytic leukaemia A nationwide prospective study by the Japanese Paediatric Leukaemia/Lymphoma Study Group. British journal of Haematology 174: 437 -443 , 2016
  4. Takahashi H, Tanaka F, Sakuma H, Sato M, Inaba S, Kai S Fatal warm autoimmune hemolytic anemia in a child due to IgM-type autoantibodies. Pediatrics International 58: 744 -746 , 2016
  5. Takatsuki S, Nakayama T, Ikehara S, Matsuura H, Ivy DD, Saji T Pulmonary Arterial Capacitance Index Is a Strong Predictor for Adverse Outcome in Children with Idiopathic and Heritable Pulmonary Arterial Hypertension. The Journal of Pediatrics 180: 75 -79 , 2017
  6. Satoh M, Aso K, Katagiri Y Thyroid dysfunction in neonates born to mothers who have undergone hysterosalpingography involving an oil-soluble iodinated contrast medium. Hormone Research in Pediatrics 84: 370 -375 , 2015
  7. Satoh M, Aso K, Ogikubo S, Yoshizawa-Ogasawara A, Saji T Hypothyroidism caused by the combination of two heterozygous mutations one in the TSH receptor gene the other in the DUOX2 gene. Journal of Pediatric Endocrinology and Metabolism 28: 657 -661 , 2015
  8. Satoh M. Bone age assessment methods and clinical applications. Clinical Pediatric Endocrinology 24: 143 -152 , 2015
  9. Sato K, Saji T, Kaneko T, Takahashi K, Sugi K Unexpected pulmonary hypertensive crisis after surgery for ocular malignant melanoma. Life sciences 118: 420 -423 , 2014
  10. Kobayashi T, Saji T, Otani T, Takeuchi K, Nakamura T, Arakawa H, Kato T, Hara T, Hamaoka K, Ogawa S, Miura M, Nomura Y, Fuse S, Ichida F, Seki M, Fukazawa, R, Ogawa, C, Furuno, K, Tokunaga, H, Takatsuki, S, Hara, S, Morikawa A, and Raise study group investigators: Efficacy of immunoglobulin plus prednisolone for prevention of coronary artery abnormalities in severe Kawasaki disease (RAISE study): a randomised, open-label, blinded-endpoints trial. Lancet 379: 1613-1620, 2012

教育の概要

学部

 小児科学教育は3年・4年次に対する系統講義を年間50回、5年次に臨床講義・総合臨床講義を年間数回、臨床実習を学生各自3週間実施しています。講義では、基礎医学と内科学等で学んだ病態学を基礎にして小児の成長と小児特有の病態や疾患について学び、さらに小児によくみられる症候から診断へのPOSによる病態評価と診断組み立て(臨床推論)とそのPOMRでの記載方法を理解することを目標としています。
 授業日程は、小児の発達・各疾患領域を学ぶ系統講義、小児の代表的症候を軸に診断の組み立て(臨床推論)を学ぶ症候学講義、最新の知識をExpertから学ぶ講義、講義の予習復習を評価する形成評価試験、POS解説を組み入れてあります。症候学講義は系統講義で習得した知識を実際の患者にあてはめ、患者の問題を解決する方法、即ち知識上の疾患から実際の病気へのアプローチ、臨床推論と問題解決を学ぶことを目的に行います。一方、症候学講義では発表担当学生を割り当て、1ヶ月前に担当教員の指示によりプロトコール(症例呈示資料)を作成し、全学生に配布することを原則としています。講義時には割り当てられた学生は、症例を提示しPOS方式で評価を行い、POMRを手書き作成して呈示しますが、問題解決には全学生が参加するように計画されています。
 近年の小児科学は疾病の治療や予防だけでなく、小児の健全育成に小児科医が積極的に関与する事への社会的要請が強くなっています。医師としての社会活動のマインドを医学生に伝えるよう心がけています。

大学院

 発達成育医学コースを開設しています。臨床医学領域の立場から生理情報や病勢情報として得られる多彩な情報の処理及び異常事態に対する速やかな対応により、病態の原因検索や治療方法に関する教育・研究を推進することを目指します。新生児期から幼児期・学童期・思春期にわたる小児・若年全般の健康と疾病の生理的ないし病態的な知識を習得することを到達目標としています。ただし単に臨床面だけでなく、発生学的・発達学的な側面や遺伝子・生物学的な背景など、総合医学的な学習を目指します。

診療の概要

 大森病院は小児医療センターを組織して小児医療を展開しています。私ども小児科(小児内科)は、小児循環器科、小児心臓血管外科、小児外科、小児腎臓(腎センター)、新生児科(総合母子周産期センター)と互いに強く密に連携しながら小児医療センターを構成し、病気の子ども達に最善の医療を提供すべく活動しています。東邦大学医学部には3病院3つの小児科学講座と1つの新生児学講座があり、互いに協力しながら医学部卒前卒後教育、診療、研究活動を行っています。私ども大森病院小児科は、血液・腫瘍、小児循環器、小児内分泌、小児腎臓、アレルギー、感染症、小児救急を得意分野とし、「子どもと家族に暖かな質の高い小児総合医療を提供する」を診療のモットーにしています。私ども小児科は教授以下助教まで14名、レジデント8名で構成され、年間入院患者数は平均約800人(新生児を除く)であり、小児領域のほぼ全ての疾患を診療する総合病院型の大学小児科です。外来患者数は1日120~150件、小児救急診療に積極的に取り組み年間約9000件の救急患者を診療しています。小児救急診療は地域医師会、大田区行政との強い協力体制の元に「大田区平日夜間こども救急室事業」を2006年から開設して全国の小児救急事業のモデルになっています。小児入院診療は小児病棟54床(申請時病棟は別)に3名の小児看護専門看護師を含む60名の看護スタッフに支えられ、さらに2名のチャイルドライフスペシャリスト、1名の病棟保育士、1名の病棟薬剤師が配置されて質の高い小児入院医療を構築しています。

その他

社会貢献

 昨年、東京都小児がん診療連携ネットワークが設立され、当院も小児がんに関して高度な診療提供体制を有する医療機関「東京都小児がん診療病院」として認定されました。東京都南部方面唯一の診療機関として今後も積極的に関わっていく所存です。
大田区との連携については、大田区入院医療協議会小児医療専門部会や大田区小児医療問題検討委員会、大田区災害医療連携会議などに加わって行政ならびに区内の開業医・病院との連携に努めています。また、区内の公立小・中・高校の心電図一次・二次検診を担当して学校での心事故防止に努めています。また、大田区小児科医会と合同で区民啓発活動を積極的に行い、毎年無料の区民公開講座「大田区小児フォーラム」を医師会・大田区と共催しています。
 さらにアレルギー班では平成7年より「京浜地区小児免疫・アレルギー勉強会(旧:大田区小児喘息勉強会 平成28年 第40回より会名変更)」を主催し、地域の先生方と一緒にアレルギーの勉強会を行っているほか、腎臓班では大田区・品川区の学校検尿3次尿判定委員および3次判定後精査および加療を行っています。

学会活動

 日本小児科学会学術集会には毎年必ず数題を発表するほか、各診療グループが専門分科会(日本小児血液学会、日本小児循環器学会、日本小児内分泌学会、日本小児アレルギー学会、日本小児腎臓病学会、日本小児救急医学会)などに研究成果を発表するとともに最新の情報を集め診療や研究に役立てています。
 一方、当科は年1~2回に大森病院小児科、大橋病院小児科、佐倉病院小児科、大森病院新生児科合同で小児科教室研究会を行ってきました。教室研究会は、症例報告ではなく、医療データを用いた研究の成果を発表する会であり、若手の先生に学位取得のための臨床研究を促進することを目的としています。
 2015年までに71回の小児科教室研究会として開催してきましたが、2016年の研究会では、小児腎センター、小児外科からも参加いただき、小児内科に限らず、小児に関わる方々の研究の場として、第1回小児医療研究会として改組しました。今後、小児に関わる診療科、看護師や心理士などの皆様に参加いただき、更なる発展を目指してゆきたいと思っています。
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151