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病院病理学講座(大橋)

所属教員名

髙橋 啓   / 教 授
横内 幸   / 講 師
大原関 利章 / 講 師
榎本 泰典  / 助 教

運営責任者

講座の概要

大橋病院における病院病理業務は1974年に端を発し、1979年大橋病院病理部として中央検査部から独立しました。大橋病院とともに病理部も発展し、1991年大橋病院病理学講座に昇格しました。初代部長として直江史郎(現東邦大学名誉教授)が23年間病理部を統括した後、2002年4月から髙橋 啓が2代目部長を務めています。現在、常勤病理医6名、臨床検査技師6名 (うち1名電子顕微鏡技師兼任)、医療事務員1名、非常勤指導医1名が在籍し、病理診断業務を担いながら、研究・教育に携わっています。

研究の概要

医局員各々テーマを持って研究を進めています。なかでも川崎病をはじめとする原因不明の難治性血管炎に対する病理学的研究と川崎病類似血管炎モデルの解析は当講座のメインテーマです。
  1. 川崎病剖検例を用いた病理組織学的研究
    50年以上にわたり蓄積されてきた、100例以上の川崎病剖検例をもとに川崎病血管炎の病理学的研究を行っています。これだけの症例数を有する医療機関は全国でも類を見ません。近年は、急性期川崎病血管炎の形態学的研究に加えてmatricellular proteinのひとつであるテネイシンCの関与やマクロファージ形質についての分子生物学的解析を加えた研究を行っています。また、川崎病既往患者の血管変化については不明な点が多く残されており、後遺症の予防や治療についても他の研究機関と協力し合いながら研究を進めています。
  2. 川崎病以外の原因不明の難治性血管炎についての研究
    血管炎症侯群には、川崎病以外にも多くの疾患が含まれます。私たちは川崎病以外の難治性血管炎についても病理学的な検討を行い学会や研究会でその成果を発表しています。
  3. 動物モデルを用いた血管炎の解析
    Candida albicansの細胞壁由来多糖を用いた川崎病血管炎モデルを用いた血管炎発症メカニズムや治療薬の作用機序の解析を行っています。近年は、血管炎誘発分子やそれを認識する受容体が明らかになりつつあります。
  4. 細胞診検体を用いた深在性真菌症や泌尿器、乳腺、婦人科領域の研究を行い、成果を各種学会・研究会で報告しています。
  5. 臨床各科の学会発表・論文作成支援
    臨床各科の学会発表、論文作成に対する病理学的支援も数多く行っています。

代表論文

  1. Oharaseki T, Yokouchi Y, Enomoto Y, Takahashi K. Histopathology of Coronary Arteritis in Acute Kawasaki Disease and Murine Systemic Vasculitis Induced by Candida Albicans Cell Wall Polysaccharide. Kawasaki Disease. Current Understanding of the Mechanism and Evidence-Based Treatment. Saji T et al. (eds.) Springer Japan, 2016, pp11-16.
  2. Takahashi K, Oharaseki T, Yokouchi Y, Enomoto Y. Histopathological Characteristics of Noncardiac Organs in Kawasaki Disease. Kawasaki Disease. Current Understanding of the Mechanism and Evidence-Based Treatment. Saji T et al. (eds.) Springer Japan, 2016, pp17-22.
  3. Lee AM, Shimizu C, Oharaseki T, Takahashi K, et al. Role of TGF-β Signaling in Remodeling of Noncoronary Artery Aneurysms in Kawasaki Disease. Pediatr Dev Pathol. 2015 Jul-Aug;18(4):310-7.
  4. Shimizu C, Sood A, Lau HD, Oharaseki T ,Takahashi K, Krous HF,Campman S5,Burns JC. Cardiovascular pathology in 2 young adults with sudden, unexpected death due to coronary aneurysms from Kawasaki disease in childhood. Cardiovascular Pathology 24(5): 310–316, 2014.
  5. Takahashi K. Is the Prevalence of Patent Foramen Ovale in Japanese Truly Low? Circulation Journal 79(9):1904-1905, 2015.
  6. Takahashi K, Oharaseki T, Yokouchi Y. Update on etio and immunopathogenesis of Kawasaki disease. Curr Opin Rheumatol. 2014, 26(1):31-6.
  7. Oharaseki T, Yokouchi Y, Yamada H, Mamada H, Muto S, Sadamoto K, Miura N, Ohno N, Saji T, Naoe S, Takahashi K. The role of TNF-α in a murine model of Kawasaki disease arteritis induced with a Candida albicans cell wall polysaccharide. Mod Rheumatol. 2014, 24(1):120-128.
  8. Harada M, Yokouchi Y, Oharaseki T, Matsui K, Tobayama H, Tanaka N, Akimoto K, Takahashi K, Kishiro M, Shimizu T, Takahashi K. Histopathological characteristics of myocarditis in acute-phase Kawasaki disease. Histopathology. 2012, Dec;61(6):1156-67.
  9. Yokouchi Y, Oharaseki T, Harada M, Ihara F, Naoe S, Takahashi K. Histopathological study of lymph node lesions in the acute phase of Kawasaki disease. Histopathology. 2013, 62(3):387-96.
  10. Takahashi K, Oharaseki T, Yokouchi Y, Naoe S, Saji T. Kawasaki disease: basic and pathological findings. Clin Exp Nephrol. 2013 ;17(5):690-3.

教育の概要

学部

  1. 病理学総論 (M2)
    病理学は基礎と臨床にまたがる学問です。病理学総論では、全身の各臓器に共通する病因・病態について学びます。講義で基本的な知識を身につけ、実習では病理組織標本を観察しながら病変の成り立ちを学びます。
  2. 症例実習 (M2)
    疾患の発症から死亡に至る経緯について剖検例を通してグループ単位で学習します。臓器ごとの病変知識にとどまらず、患者に何が起こっていたのか総合的な解釈を身につけます。
  3. 病理学各論Ⅰ、Ⅱ (M3、M4)
    病理学各論では、臓器あるいは系に即した障害について学びます。このため、器官・機能系統別の授業ユニットの中に病理学の講義・実習が配置されています。
  4. 臨床実習 (M5)
    病院内における病理部・病理診断科の業務に参加し、病理診断の意義について学びます。
  5. 選択制臨床実習 (M6)
    実習期間が長いため、M5の臨床実習では十分に経験できない内容についても触れ、病理診断について深く理解することを目標とします。

大学院

当講座の研究テーマである川崎病血管炎をはじめとする血管炎症侯群の病理学的研究や川崎病血管炎モデルを用いた研究が中心となりますが、希望に応じて研究テーマを設定することが可能です。病理学の基礎を学び、さらに分子病理学的手法を用いた研究方法を身につけます。習得した知識や技術を生かして研究を立案・実施し、学会発表を経験します。最終的に学位論文を作成し、学位を取得します。
また、病理組織学的診断ならびに細胞診断学を自ら経験することにより、検体の処理を含む基本的な診断手技、診断に至る思考を理解します。基本的な病理診断を正確に下す技能を修得して、病理専門医合格も目標にします。

診療の概要

「病理診断」には、「組織診断」、手術中に行う「術中迅速診断」、「細胞診断(細胞診)」、「病理解剖」の4つがあります。組織診断、術中迅速診断、細胞診は、いずれも適切な治療にとって欠かせません。病理解剖は、不幸にして病死された患者さまに対して遺族の承諾のもと行われ、生前診断の妥当性、疾患の進行程度、最終的な死因や治療効果の判定などについて評価します。これらの病理診断は、医師でなければ行うことのできない「医行為」ですが病理専門医は全国的に数が少なく、計2316名(2015年11月現在、日本病理学会調べ)しかいないのが現状です。このため、ある程度の規模の病院であっても病理専門医が常勤していない場合もあります。このような状況のなか、当科には日本病理学会が認定する「病理専門医」、「病理専門医研修指導医」および日本臨床細胞学会が認定する「細胞診専門医」が4名在籍しており、充実した研修を行うことが可能です。現在、2名の後期研修医が専門医取得を目指して勉強中です。

その他

社会貢献

セカンドオピニオンとしての病理診断を随時受け付けています。
医療関係者は院内CPCに参加戴くことが可能です。
関連医療施設からの病理解剖依頼を受け付けています。

学会活動

日本病理学会、日本川崎病学会、日本小児循環器学会、日本血管病理研究会、関東川崎病研究会、東京血管炎研究会、膠原病臨床病理研究会などの評議員、運営委員、世話人として、各人が会の運営に携わっています。
2015年4月から日本川崎病学会会長を髙橋 啓が務めています。

主催学会

  • 第37回日本川崎病学会・学術集会
    会期:2017年10月27日(金)・28日(土)
    会場:東京大学伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホール
  • 第22回日本血管病理研究会
    会期:2017年11月11日(土)
    会場:東邦大学医療センター大橋病院 教育棟臨床講堂
  • 第12回国際川崎病シンポジウム
    会期:2018年6月12日(火)~15日(金)
    会場:パシフィコ横浜 会議センター5階
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151