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病院病理学講座(大森)

所属教員名

澁谷 和俊 / 教 授
根本 哲生 / 准教授
栃木 直文 / 准教授
若山 恵  / 講 師
密田 亜希 / 助 教
江嶋 梢  / 助 教

運営責任者

講座の概要

当講座は、機構改革が進められる中で2003年4月に第1病理学講座と大森病院病理学研究室との統合により誕生した臨床医学系の講座です。今年度で漸く14年目を迎える講座ですが、その源流は開学時より設置されている病理学教室にまで遡ります。当時、東京慈恵会医科大学より木村哲二先生が初代教授として赴任され、本学での教育や研究が始まりました。現在、病院病理学講座には、開学時からの病理解剖例が記録された病理解剖台帳が保管されていますが、その第1巻の冒頭に1927年に木村先生が執刀された病理解剖本学第1例目の所見が詳細に残されています。その後、1975年までには基礎医学の教室として第1と第2の二教室制が整い、病理学の教育や研究に加えて、当時、我が国でも臨床医学の一分野としてその重要性が認知され始めた病理診断を行なっていました。また同時期に新築された大森病院2号館に病院病理学研究室の前身となる中央検査部第2部が設置され、本学における診断病理学の診療体制が確立し、本格的な診療活動への参入が果たされました。開設当初は、第1病理学教室教授の福永昇先生が部長職を兼任されておりましたが、間もなく第1病理学教室助教授だった秋間道夫先生が専任の初代部長として着任されました。これ以後、病理学研究室として教室としても独立して行きますが、病院病理学講座となった現在に至るまで、第1および第2病理学教室や病理学講座(旧第2病理学教室)との活発な人的交流が図られました。特に近年では病理学講座の教職員との密接な共同診療体制が敷かれ、病理診断や卒前卒後の教育のみならず、臨床各科との共同研究に至るあらゆる面での円滑な共同作業が進められています。

研究の概要

病理診断科では、通常の診療とは別に日本医療開発機構(AMED)の委託事業として、真菌症病理診断支援システムを展開しています。日和見感染症として発症する深在性真菌症は治療困難な例が多く、原因菌を特定し、有効な抗真菌薬を選択することが治療の成否を大きく左右します。この原因菌の特定には、感染組織の細菌学的検査法により真菌を分離培養することが重要ですが、分離頻度は低く、また分離できても数週間程度の時間を要する場合もあります。一方、感染組織から採取された組織を用いた病理組織診断は、組織中にみられる真菌の形態や組織反応から菌種を判断する方法であるため、真菌が組織中に確認できることが前提になりますが、各真菌に特徴的な所見が得られれば真菌の種類の特定につながる重要な診断法です。また、真菌の形態だけでなく、in situ hybridization法やPolymerase-chain reaction (PCR)法などの分子生物学的手法を組み合わせることにより、より高い診断精度を得られるように努力を重ねています。依頼件数は10件~20件で推移していますが、治療に直結する有用な情報を提供しています。

代表論文

  1. Ueno K., Kinjo Y., Okubo Y., Aki K., Urai M., Kaneko Y., Shimizu K., Wang D., Okawara A., Nara T., Ohkouchi K., Mizuguchi Y., Kawamoto S., Kamei K., Ohno H., Niki Y., Shibuya K., Miyazaki Y., Dendritic cell-based immunization ameliorates pulmonary infection with highly virulent Cryptococcus gattii, Infect Immun, 83,1577-86,2015, doi: 10.1128/IAI.02827-14
  2. Tochigi N., Ishiwatari T., Okubo Y., Ando T., Shinokaki M., Aki K., Gocho K., Hata Y., Murayama S., Wakayama M., Nemoto T., Hori Y., Shibuya K., Histological study of chronic pulmonary aspergillosis, Diagn Pathol, 10,153,2015
  3. Fukutake K., Ishiwatari T., Takahashi H., Tsuchiya K., Okubo Y., Shinozaki M., Tochigi N., Wakayama M., Nemoto N., Shibuya K., Wada A., Investigation of ossification in the posterior longitudinal ligament using micro-focus X-ray CT scanning and histological Examination, Diagn Pathol, 10,205,2015, doi: 10.1186/s13000-015-0440-8
  4. Tarumoto N, Kinjo Y, Kitano N, Sasai D, Ueno K, Okawara A, Izawa Y, Shinozaki M, Watarai H, Taniguchi M, Takeyama H, Maesaki S, Shibuya K, Miyazaki Y. Exacerbation of invasive Candida albicans infection by commensal bacteria or a glycolipid through IFN-γ produced in part by iNKT cells. J Infect Dis. 2014 Mar 1;209(5):799-810. doi: 10.1093/infdis/jit534. Epub
  5. Tochigi N, Okubo Y, Ando T, Wakayama M, Shinozaki M, Gocho K, Hata Y, Ishiwatari T, Nemoto T, Shibuya K. Histopathological Imolications of Aspergillus Infection in Lung. Mediators of Inflammation Volume 2013, Article ID 809798, 8 pages
  6. Shinozaki M, Okubo Y, Sasai D, Nakayama H, Murayama S, Ide T, Wakayama M, Ishiwatari T, Tochigi N, Nemoto T, Shibuya K. Development of a Peptide Nucleic Acid Probe to Trichosporon Species and Identification of Trichosporonosis using In Situ Hybridization in Formalin-Fixed and Paraffin-embedded (FFPE) Sections. JCM DOI: 10.1128/JCM.02221-12. 2012
  7. Shimodaira K, Okubo Y, Nakayama H, Wakayama M, Shinozaki M, Ishiwatari T, Sasai D, Nemoto T, Takahashi K, Ishii T, Saji T, Shibuya K. Trends in the prevalence of invasive fungal infections from an analysis of annual recoerds of autopsy cases of Toho University. Mycoses DOI: 10.1111/j.1439-0507.2012.02169.x
  8. Shimamura T, Kubota N, Nagasaka S, Suzuki T, Mukai H, Shibuya K. Establishment of a Novel Model of Onychomycosis in Rabbits for Evaluation of Antifungal Agents. Antimicrob Agents Chemother, 55(7): 3150–55, 2011
  9. Saijo S, Ikeda S, Yamabe K, Kakuta S, Ishigame H, Akitsu A, Fujikado N, Kusaka T, Kubo S, Chung SH, Komatsu R, Miura N, Adachi Y, Ohno N, Shibuya K, Yamamoto N, Kawakami K, Yamasaki S, Saito T, Akira S, Iwakura Y. Dectin-2 recognition of alpha-mannans and induction of Th17 cell differentiation is essential for host defense against Candida albicans. Immunity, 32: 681-91, 2010 (Epub 2010 May 20)
TEXTBOOK
Cardiac fibroma; Shibuya K, Burke AP, WHO classification of tumors of the lung, pleura, thymus and heart, 4th edition, edited by Travis, WD, Brambilla E, Burke AP, Marx A, Nicholson AG, WHO/IARC press, Lyon, France, 2015

教育の概要

学部

病理学講座および病院病理学講座(大橋)、病院病理学講座(佐倉)と協働し、以下の領域を担当しています。

領域:病態の科学
サブ領域:病態の科学②、ユニット:病理学総論
対象学年:2年

領域:臨床病理学1
サブ領域:臨床病理学①、ユニット:臨床病理学I
対象学年:2年

領域:臨床病理学2
サブ領域:臨床病理学②、ユニット:臨床病理学II
対象学年:3年

大学院

(共通必修:基礎と臨床の研究倫理)
上記の共通必修科目において、澁谷教授および栃木准教授が講義を行い、医学的研究をはじめるにあたって倫理学的なものの考え方、歴史、および実際を考える場を提供しています。

(専攻科目:病院病理学)
病理組織学的診断ならびに細胞診断学を自ら経験し、検体の処理を含む基本的な診断手技、診断に至る思考を理解し、基本的な病理診断を正確に行う技能を修得できます。さらに形態解析ならびに分子病理学的研究手法を修得し、英文で公表する技能水準に到達できます。具体的には、木曜日を中心に行われる剖検肉眼カンファレンスおよびリサーチカンファレンスへの参画、さらに平日日勤帯における迅速診断を行うことにより、上記の水準に達し学位取得および病理学会認定専門医の取得が可能です。

診療の概要

病院病理学講座の教室員は大森病院病理診断科を兼務しており、大森病院における病理診断全般(組織診断、細胞検査および剖検)を行っています。

その他

社会貢献

栃木准教授は本学に隣接する大田区立大森第三小学校のPTA会長を務め、地域における子供たちの健やかな成長、および小学校と保護者との緊密な関係に寄与しています。また、夏季休暇中において小学生を対象に「病理診断のはなし」と題する講演を行っています。

学会活動

本講座では日本医真菌学会を研究活動発表の主体としております。教室員は理事および各種委員会の委員を拝命しています。
平成27年度および平成28年度には、病理学講座と協働し日本病理学会認定専門医試験の会場係として参画しました。
澁谷教授が第72回日本病理学会関東支部会の世話人を務めました。
澁谷教授は医学系大学倫理委員会連絡会議の理事、および研究倫理を語る会の世話人を務め、医学系研究における倫理学的思考につき検討しています。
澁谷教授は医学英語教育学会の学術評議員を務め、東邦大学医学部における国際性向上に努めています。
根本准教授が第74回食道色素研究会を主宰しました。
栃木准教授は、JCOG(Japanese Clinical Oncology Group)の病理委員会委員長を務め、質の高い臨床研究実施のために病理診断医としての立場で活動しています。
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151