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内科学講座膠原病学分野(大橋)

所属教員名

亀田 秀人/ 教 授
小倉 剛久/ 助 教
平田 絢子/ 助 教

所属教員名

講座の概要

診療科としては平成15年10月に旧第四内科の斉藤栄造教授により独立した診療科として開設されました。平成19年12月斉藤教授の退職後も、小川武彦、小倉剛久の両先生を中心として、患者さんのことを全人的に理解し、特に生活の質(QOL)を重視した診療が受け継がれていました。平成25年8月に亀田秀人が第二代教授として慶應義塾大学より着任し、伝統を引き継ぎつつ関連学会である日本リウマチ学会、日本臨床免疫学会、日本炎症・再生医学会、日本脊椎関節炎学会において責任ある役割を果たしています。疾患では膠原病・リウマチ性疾患全般の診療と共に関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、脊椎関節炎(乾癬性関節炎など)のグローバル・国内治験や臨床研究を推進しています。

研究の概要

当教室では膠原病の発症機序や難治性病態の解明、生物学的製剤治療の最適化、関節超音波検査による関節炎の詳細な評価などを主な研究テーマとしています。他大学との共同研究の他、本学の免疫学講座や生化学講座にも大学院生のご指導をお願いしています。

1. 膠原病の発症機序や難治性病態の解明

膠原病の発症過程を観察することは困難ですが、寛解から再燃に至る免疫・炎症学的過程から手がかりを得られるかもしれません。医療経済的なメリットも考慮して、生物学的製剤投与により半年以上寛解を持続した患者さんでは、同意が得られたなら一度生物学的製剤を中止し、詳細な臨床・画像・免疫・炎症学的検査を経時的に行うことで、膠原病の発症機序の解明につなげるよう尽力しています。再燃が認められた場合には速やかに生物学的製剤を再投与することで、患者さんにとって必要な医療を提供し、無駄な医療を回避するように心がけています(Tanaka Y, et al. Ann Rheum Dis 2010, Kurasawa T, et al. Mod Rheumatol 2014)
難治性病態は治療抵抗性の関節炎 (Kameda H, et al. Ann Rheum Dis 2013)、間質性肺疾患(Kameda H, et al. J Rheumatol 2005, Tokuda H, et al. Respir Investig 2017)、糸球体腎炎 (Ogawa H, et al. Lupus 2010; Nishi E. et al. Mod Rheumatol 2013)、腸管病変などであり、学内の基礎系研究室との共同研究としてノックアウトマウスを用いた基礎研究、多施設共同研究におけるバイオマーカーなどのトランスレーショナル研究(Nakamura S, et al. Arthritis Res Ther 2016)を行っています。そして、新規治療薬の開発や既存治療薬の適応拡大につながる研究を進めています(Mizushina K, et al. Mod Rheumatol 2016; Le L, et al. Int Immunopharmacol 2016)

2. 生物学的製剤治療の最適化

膠原病の治療を数式化すると(亀田秀人. 日本内科学会雑誌2012)、病態における個人差の大きさと、現行の医療における生物学的製剤の用法・用量の狭小さとの乖離が実感できます (Nishina N, et al. Clin Rheumatol 2013; Nishina N, et al. Ann Rheum Dis 2014)。患者さんにとっての必要十分な投与が可能となるように、基礎データの蓄積と臨床研究の統合を推進しています。

3. 関節超音波検査による関節炎の詳細な評価

関節超音波は診察室で簡便に関節の病態を確認できる有用な診療ツールです。当科では全身性エリテマトーデスと関節リウマチの関節炎の異同 (Ogura T, et al. Lupus 2017)、患者さんの関節自覚症状と医師による関節診察所見の有用性比較 (Hirata A, et al. Arthritis Care Res 2017)、高齢関節リウマチ患者の特徴などを、関節超音波検査を用いた臨床研究により明らかにしています。

その他の研究に関しては当科のHPをご覧下さい。

代表論文

  1. Ito H, Ogura T, Hirata A, Takenaka S, Mizushina K, Fujisawa Y, Katagiri T, Hayashi N, Kameda H. Global assessments of disease activity are age-dependent determinant factors of clinical remission in rheumatoid arthritis. Semin Arthritis Rheum (in press).
  2. Ogura T, Hirata A, Hayashi N, Takenaka S, Ito H, Mizushina K, Fujisawa Y, Imamura M, Yamashita N, Nakahashi S, Kujime R, Kameda H. Comparison of ultrasonographic joint and tendon findings in hands between early, treatment-naïve patients with systemic lupus erythematosus and rheumatoid arthritis. Lupus 2017;38(5):503-506.
  3. Hirata A, Ogura T, Hayashi N, Takenaka S, Ito H, Mizushina K, Fujisawa Y, Yamashita N, Nakahashi S, Imamura M, Kujime R, Kameda H. Concordance between patient-reported joint symptoms, physician-examined arthritic signs and ultrasound-detected synovitis in rheumatoid arthritis. Arthritis Care Res 2017;69(6):801-806.
  4. Le L, Yoshimoto K, Morita A, Kameda H, Takeuchi T. Bendamustine increases interleukin-10 secretion from B cells via p38 MAP kinase activation. Int Immunopharmacol 2016;39:273-279.
  5. Nakamura S, Suzuki K, Iijima H, Hata Y, Lim CR, Ishizawa Y, Kameda H, Amano K, Matsubara K, Matoba R, Takeuchi T. Identification of baseline gene expression signatures predicting therapeutic responses to three biologic agents in rheumatoid arthritis: a retrospective observational study. Arthritis Res Ther 2016;18:159.
  6. Mizushina K, Hirata A, Hayashi N, Takenaka S, Ito H, Ogura T, Fujisawa Y, Imamura M, Yamashita N, Kujime R, Nakahashi S, Kameda H. Possible preventive effect of salazosulfapyridine against development of Pneumocystis pneumonia in methotrexate-receiving patients with rheumatoid arthritis. Mod Rheumatol 2016;26:976-978.
  7. Nishina N, Kikuchi J, Hashizume M, Yoshimoto K, Kameda H, Takeuchi T. Baseline levels of soluble interleukin-6 receptor predict clinical remission in rheumatoid arthritis patients treated with tocilizumab: implications for molecular targeted therapy. Ann Rheum Dis 2014;73:945-947.
  8. Kameda H, Kanbe K, Sato E, Ueki Y, Saito K, Nagaoka S, Hidaka T, Atsumi T, Tsukano M, Kasama T, Shiozawa S, Tanaka Y, Takeuchi T on behalf of the Japan Biological Agent Study Integrated Consortium (JBASIC). A merged presentation of clinical and radiographic data using probability plots in a clinical trial, the JESMR study. Ann Rheum Dis 2013;72:310-312.
  9. Okuyama A, Nagasawa H, Suzuki K, Kameda H, Kondo H, Amano K, Takeuchi T. Fc gamma receptor IIIb polymorphism and usage of glucocorticoids at baseline are associated with infusion reactions to infliximab in patients with rheumatoid arthritis. Ann Rheum Dis 2011;70:299-304.
  10. Tanaka Y, Takeuchi T, Mimori T, Saito K, Nawata K, Kameda H, Nojima T, Miyasaka N, Koike T; RRR study investigators. Discontinuation of infliximab after attaining low disease activity in patients with rheumatoid arthritis, RRR (remission induction by remicade in RA) study. Ann Rheum Dis 2010;69:1286-1291.

教育の概要

学部

1) 膠原病・アレルギー学(3年次)
膠原病・アレルギー・免疫不全などを理解します。膠原病学分野(大森)と分担しています。

2) 四肢脊柱の診察(4年次)
四肢・脊柱の基本的な診察を体得します。整形外科学講座(大森・大橋・佐倉)、膠原病学分野(大森)と共同で行っています。

3) 臨床実習(6年次)
膠原病患者の実際の診療を外来実習で見学し、病棟実習では医療チームの一員として参加します。

大学院

膠原病や臨床免疫学の基礎と最先端の臨床を学びます。科学に対する真摯で的確なアプローチを行う術を身につけることを重視しています。希望に応じて本学の免疫学講座や生化学講座、あるいは他大学の基礎研究室での研鑽を積むことが出来ます。演習では最新の論文を英語でプレゼンテーションし、15分間の英語でのディスカッションに対応できるようにトレーニングを受けます。研究成果は国内外の学会で発表し、学位論文を国際誌等に投稿します。

診療の概要

「膠原病をきれいに治す」
 当診療科では「膠原病をきれいに治す」を常に心がけています。関節リウマチをはじめとした膠原病は、適切に治療されなければ生命予後、機能予後に深刻な影響を及ぼします。近年の治療法の進歩に伴い治療開始時期、すなわち早期診断と早期治療がますます重要になっています。そのために地域の先生方と密に連携して早期診断と早期治療を実現すること、全身性疾患であることから他の様々な診療科・コメディカルスタッフと連携したチーム医療に邁進しています。

「膠原病を二度なしに」
 免疫学は麻疹などに一度罹ったら二度は罹りにくい「二度なし」現象を解明するために発展し、予防接種の成功に結実しました。原因不明の全身性自己免疫疾患である膠原病の予防はまだ出来ませんが、再燃を繰り返すことが病気の特徴の一つです。私達は生物学的製剤を積極的に導入しますが、医療経済面とトランスレーショナル研究面から期間限定的な投与を前提としています。そして長期的には二度と再燃しない「寛解維持」を重視して治療を行っています。そのために免疫抑制薬や抗リウマチ薬の併用療法を推進しています。その一方で「膠原病をきれいに治す」ために副腎皮質ステロイドの投与は最小限となるように急速減量を原則としています。

その他

社会貢献

亀田秀人はModern RheumatologyとInternal Medicineのeditorial board memberであり、さらに年間30編以上の学術論文の査読者を務めています。国内外で年間50以上の講演を行い、最新の研究成果の普及に尽力しています。小倉剛久と平田絢子は国内各地で開催される関節超音波検査の講習会で講師を務めています。

学会活動

日本内科学会
日本リウマチ学会
日本臨床免疫学会
日本免疫学会
日本炎症・再生医学会
日本脊椎関節炎学会
米国リウマチ学会
欧州リウマチ学会
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151