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産科婦人科学講座(大橋)

所属教員名

久布白 兼行 / 教 授
小宮山 慎一 / 准教授
武谷 千晶  / 助 教
釘宮 剛城  / 助 教

運営責任者

講座の概要

東邦大学医療センター大橋病院は東邦大学第2番目の付属病院として、昭和39年に開院いたしました。当院は目黒区にありますが、世田谷区、渋谷区に隣接し、これら3区のなかで唯一の大学病院です。
婦人科はもともと産科婦人科でしたが、現在は婦人科に特化して診療・研究・教育を行っています。昭和56年4月、初代の木下 佐教授が就任され、その後、平成59年2月,岩城 章教授、平成3年3月,小倉久男教授が就任され、平成19年5月より第四代教授として久布白兼行が就任し現在に至っております。現在は婦人科良性・悪性腫瘍を中心にがん手術・化学療法などの集学的治療、また内視鏡手術に力点を置いて診療・研究をしております。とりわけ婦人科悪性腫瘍については、婦人科悪性腫瘍研究機構などの全国規模の国内、国際臨床試験に積極的に登録・治療を行い、先進的治療を手掛けています。

研究の概要

  1. 卵巣明細胞癌におけるTGF beta-Signalingに関する研究
    卵巣明細胞癌は卵巣がんの一種ですが、他の組織型とは大きく異なる性質を有することが知られています。近年、卵巣明細胞癌は子宮内膜症を発生母地として発生することが判明しましたが、われわれは子宮内膜症組織の産生するtransforming growth factor-beta (TGFb)が明細胞腺癌の増殖や進展に影響をおよぼすことを、独自の視点による研究で指摘してきました(Komiyama et al. J Reprod Med 2007, Komiyama et al. Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol 2006)。さらにはTGFbのシグナル伝達系に関与する種々の分子が、明細胞癌の生物学的特性を規定する因子となりうることを見出しました(Komiyama et al. Oncol Rep 2011, Komiyama et al. Eur J Gynaecol Oncol 2011)。今後はこれらの分子を診断や治療に応用できるようなトランスレーショナルな研究を計画しています。
  2. 原発性腹膜癌の臨床病理学的研究ならびに病因病態に関連する分子機構の解明
    原発性腹膜癌は卵巣漿液性癌の類縁疾患ですが、その生物学的特性は卵巣癌とは異なり、予後不良であることが知られています。また稀有な疾患であることから、その診断や取扱指針が確立しているとは言えません(Komiyama et al. Acta Cytol 2006)。さらに原発性腹膜癌に関する基礎的研究は極めて少なく、その病因病態に関与する分子機構の検討は報告がありません。われわれは原発性腹膜癌の特性を検討するために、多施設共同臨床病理学的研究を行なうとともに、分子レベルの網羅的解析を中心に、本疾患に特徴的な分子機構の解明を指向して研究しています。
  3. 子宮体癌手術におけるLess invasive surgeryの開発
    子宮体癌の治療の基本は手術療法であり、後腹膜リンパ節の摘出を含む根治手術が予後を改善します。一方で従来の根治手術は手術侵襲が大きいため、様々な低侵襲化が試みられています。代表的なものは、腹腔鏡下手術とロボット支援手術ですが、非常に長い手術時間・気腹時間や高額な手術機器、さらにリンパ節摘出の限界や保険適応の制約といった欠点が指摘されており、特に後者は非常に高額な機器を必要とするため未だ普及していません。われわれは、これらの低侵襲手術に対するalternativeな位置付けの手術として、小皮切・後腹膜アプローチ法による傍大動脈リンパ節までの摘出・短開腹時間、を特徴とするLess invasive surgeryを独自に開発し、実臨床で多くの患者さんに実施し、その有用性と安全性を報告しています(Komiyama et al. J Cancer 2016, Komiyama et al. J Obstet Gynaecol Res 2015)。
  4. 卵巣癌手術における高位傍大動脈リンパ節摘出術の開発
    卵巣癌の治療における手術療法の意義は極めて大きく、高位傍大動脈リンパ節転移の制御もその一環として重要です。しかし高位傍大動脈リンパ節は膵臓の背側に位置し、その解剖学的関係から摘出が困難な部位であり、安全な手術操作の開発が求められています。われわれは小腸全体および右半結腸を完全に授動・脱転する「Kocherの授動術変法」と呼ぶ術式を開発し、卵巣癌手術に用いています。この術式は高位傍大動脈リンパ節の摘出を容易にし、しかも合併症も少ない方法であり、非常に有用と考えています(投稿準備中)。
  5. 婦人科がん治療におけるBevacizumabの意義の検証
    Bevacizumabは卵巣癌および子宮頸癌に有用な唯一の分子標的薬ですが、日本人に対する安全性および有効性に関しては、大規模な知見がなく、未だ不明です。われわれは、特定非営利活動法人・婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)に所属する国内約200施設における大規模な前向き臨床試験を行っており、研究代表者として卵巣癌患者に対するBevacizumabの安全性および有効性を検証しています(小宮山ら. 新薬と臨牀 2015)。

代表論文

  1. Komiyama S, Takeya C, Takahashi R, Nagasaki S, Kubushiro K.
    Less Invasive Endometrial Cancer Surgery with Extraperitoneal Pelvic and Para-aortic Lymphadenectomy via a Small Midline Abdominal Incision and the Retroperitoneal Approach. J Cancer (8):890-899 2016.7
  2. Komiyama S, Katabuchi H, Mikami M, Nagase S, Okamoto A, Ito K, Morishige K, Suzuki N, Kaneuchi M, Yaegashi N, Udagawa Y, Yoshikawa H. Japan Society of Gynecologic Oncology guidelines 2015 for the treatment of ovarian cancer including primary peritoneal cancer and fallopian tube cancer. Int J Clin Oncol  21:435-46. 2016.6
  3. Ebina Y, Katabuchi H, Mikami M, Nagase S, Yaegashi N, Udagawa Y, Kato H, Kubushiro K, Takamatsu K, Ino K, Yoshikawa H
    Japan Society of Gynecologic Oncology guidelines 2013 for the treatment of uterine body neoplasms. Int J Clin Oncol. 21(3):419-34 2016.4
  4. Iwata T, Hasegawa T, Ochiai K, Takizawa K, Umezawa S, Kuramoto H, Ohmura M, Kubushiro K, Arai H, Sakamoto M, Motoyama T, Watanabe K, Aoki D. 
    Human Papillomavirus Test for Triage of Japanese Women With Low-Grade Squamous Intraepithelial Lesions. Reprod Sci.22(12):1509-15. 2015.12 
  5. Komiyama S, Takeya C, Takahashi R, Yamamoto Y, Kubushiro K. Feasibility study on the effectiveness of Goreisan-based Kampo therapy for lower abdominal lymphedema after retroperitoneal lymphadenectomy via extraperitoneal approach. 
    J Obstet Gynaecol Res. 41(9):1449-56 2015.9
  6. Fujii T, Saito M, Hasegawa T, Iwata T, Kuramoto H, Kubushiro K, Ohmura M, Ochiai K, Arai H, Sakamoto M, Motoyama T, Aoki D.
    Performance of p16INK4a/Ki-67 immunocytochemistry for identifying CIN2+ in atypical squamous cells of undetermined significance and low-grade squamous intraepithelial lesion specimens: a Japanese Gynecologic Oncology Group study.
    Int J Clin Oncol.  20(1):134-42 2015.4
  7. Ozaki S, Kato K, Abe Y, Hara H, Kubota H, Kubushiro K, Kawahara E, Inoue M.
    Analytical performance of newly developed multiplex human papillomavirus genotyping assay using Luminex xMAP™ technology (Mebgen™ HPV Kit).
    J Virol Methods. 24;204C:73-80. 2014.4
  8. Kurasaki A, Sakurai N, Yamamoto Y, Taoka H, Takahashi K, Kubushiro K.
    Ovarian pulmonary-type small cell carcinoma: case report and review of the literature.  Int J Gynecol Pathol.  32(5):464-70. 2013.9
  9. Nishio S, Fujii T, Nishio H, Kameyama K, Saito M, Iwata T, Kubushiro K, Aoki D.
    p16(INK4a) immunohistochemistry is a promising biomarker to predict the outcome of low grade cervical intraepithelial neoplasia: comparison study with HPV genotyping. J Gynecol Oncol. 7(3):215-221.2013.7
  10. Komiyama S, Nishio E, Ichikawa R, Miyamura H, Kawamura K, Komiyama M, Nishio Y, Udagawa Y. Asymptomatic synchronous quintuple primary cancers. Gynecol Obstet Invest 74:324-8. 2012.7

教育の概要

学部

子宮頸癌ならびに子宮体癌(4年次で3コマ)、良性・悪性卵巣腫瘍(4年次で3コマ)の講義を担当しています。子宮頸癌、子宮体癌、卵巣腫瘍について最新の内容を紹介し理解し学びます。

大学院

医科学専攻博士課程
婦人科悪性腫瘍の総論・各論(3コマ)を担当しています。子宮頸癌、子宮体癌、卵巣腫瘍について、基礎的研究、臨床試験の最近の動向などを学びます。これらの習得した知識や技能を駆使して研究テーマを立案して研究を実行し、学会発表などを行い、最終的には学位論文を作成します。

診療の概要

婦人科は思春期、性成熟期、更年期に至るまで、女性のすべてのライフステージについて診療にあたります。具体的には生殖・不妊症・内分泌疾患、婦人科の腫瘍、更年期の診療等多岐にわたっています。
 平成26年4月1日より、東邦大学医療センター大橋病院「産科・婦人科」は、産科診療を休止し、「婦人科」に特化して診療を行っています。
 さて、東邦大学医療センター大橋病院の婦人科では、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、良性卵巣腫瘍、子宮内膜ポリープなどの良性疾患、そして子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌などの悪性腫瘍を含めて婦人科疾患の診断・治療を行っています。婦人科スタッフには、各種学会の専門医、日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医、がん治療認定医機構認定医、臨床細胞学会細胞診専門医、日本臨床腫瘍学会暫定指導医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医など各種専門医が揃っております。
また国際的、国内的なレベルの臨床試験に参加し、多くの患者さんにご協力をいただいています。こういった臨床試験を通して、子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌などを対象として将来を見据えた新しい抗がん剤や分子標的治療法、さらには新しい手術法の確立を目指しています。

その他

社会貢献

  1. 大橋婦人科フォーラム 世田谷区・目黒区・渋谷区・玉川などを中心に地域の開業の先生を対象に講演会・勉強会を主催しています。本フォーラムを通じて病診連携を密にしています。
  2. 目黒産婦人科臨床懇話会 世田谷区・目黒区・渋谷区・玉川などを中心に機関病院(国立病院機構東京医療センター、東京共済病院、厚生中央病院、成育医療センターなど)、また開業の先生を対象に勉強会を開催しています。

学会活動

日本産科婦人科学会 
日本癌学会
日本癌治療学会 
日本婦人科腫瘍学会 
日本臨床細胞学会 
日本臨床腫瘍学会
日本産科婦人科内視鏡学会
日本産婦人科手術学会
婦人科悪性腫瘍研究機構 

(以下、久布白)
日本産科婦人科学会代議員
同学会 社会保険委員会委員
日本婦人科腫瘍学会 理事
同学会 子宮頸癌治療ガイドライン2011年版作成委員
同学会 子宮体がん治療ガイドライン2013年版作成委員会小委員長
同学会 卵巣がん治療ガイドライン2015年版評価委員
同学会 子宮頸癌治療ガイドライン2017年版評価委員
同学会 専門医制度試験作成委員
同学会 社会保険委員会委員
日本婦人科悪性腫瘍研究機構 理事(平成22年12月~平成28年11月)・施設認定委員会委員長(平成26年12月~28年11月)・
日本産科婦人科内視鏡学会理事
日本産科婦人科内視鏡学会ガイドライン評価委員
日本臨床細胞学会評議員
同学会 細胞診専門医試験実施委員会副委員長(平成21~22年度)
同学会 細胞診専門医試験実施委員会委員長(平成23~24年度)
日本エンドメトリオーシス学会理事(平成22年~)
日本レーザー治療学会 評議員(平成22年~)
外科系学会社会保険委員会連合 手術委員(平成20年~)
International Gynecologic Cancer Society

(以下、小宮山)
特定非営利活動法人 婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)理事
日本婦人科腫瘍学会 代議員・主幹事
日本臨床細胞学会 評議員
東京産科婦人科学会 評議員
卵巣がん治療ガイドライン 作成委員
子宮体がん治療ガイドライン 評価委員
NCCNガイドライン日本語版 婦人科がん 監修者
患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 作成委員
Gynecologic Oncology 査読委員
Archives of Gynecology and Obstetrics 査読委員
The Journal of Obstetrics and Gynecology Research 査読委員
Japanese Journal of Clinical Oncology 査読委員
International Journal of Gynecological Cancer 査読委員
Tumor Biology 査読委員
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151