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皮膚科学講座(大森)

所属教員名

石河 晃  / 教 授
関東 裕美 / 臨床教授
石井 健  / 准教授
橋本 由起 / 講 師
中村 元泰 / 助 教
伊藤 崇  / 助 教

運営責任者

講座の概要

当皮膚科学講座は1965年(昭和40年)8月に皮膚泌尿器科より分離独立し、東京大学より皮膚泌尿器科学教室主任教授として赴任されていた石津俊先生が初代教授に就任されました。2代安田利顕教授は日本皮膚科学会理事長を務められ、また雑誌皮膚病診療を創刊され、教室の発展とともに日本皮膚科学会の発展に多大な貢献をされました。1977年(昭和52年)に就任された東京大学出身の石原勝教授は接触アレルギー研究を開始し、現在も講座の臨床的研究の中核の一つとなっています。1987年、北海道大学より露木重明教授が4代教授、1998年(平成10年)より本学卒業の伊藤正俊教授が5代教授としてアレルギー研究・教室のさらなる発展に寄与されました。2010年(平成22年)より石河 晃が6代目教授として就任し現在に至っています。

研究の概要

皮膚科学講座では水疱症研究、接触アレルギー研究、バリア機能研究、乾癬の臨床研究などを行っています。

  1. 水疱症研究
    (ア) 自己免疫性水疱症
    落葉状天疱瘡の水疱発生機序の解明
    ファージディスプレイ法を用いて合成した一本鎖モノクローナルFv抗体(ScFv)およびIgG型モノクローナル抗体により、抗体結合から水疱発症までの病態生理を主に形態学的な検討により行っています。ヒトの落葉状天疱瘡患者の血清中には様々なクローンの自己抗体が含まれており、単独で水疱を惹起する能力を持つ抗体と単独では病原性がない抗体があることが明らかになっていました。さらに、病原性を有する抗体は標的抗原であるデスモグレイン1の分子間接着面に結合することにより直接細胞接着を阻害していることが示唆されていました。そこで、単独では病原性を持たない抗体の水疱形成への関与は病原性抗体の存在下においてのみデスモグレイン1分子を横方向に束ねて凝集させる能力があり、細胞接着阻害を増強していることが明らかにしました。今後は抗体の病原活性を測定する系を開発すること、水疱形成を抑制するペプチドの開発などを行います。(石井・吉田)
    免疫電顕法を用いた自己抗体結合部位の検討
    現在主としてドイツのリューベック大学の皮膚科との共同研究で自己免疫性水疱症のモデルマウスの免疫電顕を用いた検討を行っています。(石河・清水)
    (イ) 先天性表皮水疱症
    表皮水疱症の病型診断
    表皮水疱症は表皮と真皮の接着に関与する分子の遺伝子異常により軽微な外力でも水疱、びらんを生じる遺伝性疾患です。患者数は日本全体で1000名ほどの稀少疾患ですが、患者は生涯にわたり脆弱皮膚に悩まされます。種々の重篤な合併症が有るため、病型分類を行うことは極めて重要ですが、研究室レベルの解析が必要であるため限られた施設しか病型診断が出来ません。本皮膚科学講座では電子顕微鏡、基底膜構成分子に対するモノクローナル抗体を用いた蛍光抗体法、遺伝子解析により、関東全域の患者さんの病型診断を担っています。(石河・吉田・松永)
    表皮水疱症の細胞療法の開発
    治療戦略として細胞療法を検討しており、他家脂肪幹細胞を用いた治療の治験開発を主導し、まもなく治験を開始できる予定となっています。(石河)

  2. 接触アレルギー研究
    東邦大学のパッチテストは1974年より開始し、臨床研究の柱となっています。当初は香粧品の安全性や香料アレルギーを中心に検討されていました。1980年代には伊藤正俊前教授、関東裕美教授が固定メンバーとして、ゴムアレルゲンについての検索、原因製品分析による抗原解明結果とパッチテスト結果との比較検討をしてきました。1990年代からはアトピー性皮膚炎患者の増悪因子検索、刺激性接触皮膚炎について取り組んでいます。また2003年からは臨床研究として人工関節置換術患者に対し術前金属パッチテストを実施し、安全な置換術実施を目指しています。さらに、現在香粧品、家庭用品成分分析に基づくアレルゲン検索などを行っています。(関東、伊藤)
  3. 皮膚バリア機能研究
    皮膚乾燥の指標となるパラメーターについてアトピー性皮膚炎、乾癬、痤瘡、老人性乾皮症などの病態との関連を検討してきました。また、ケミカルピーリングの施術後に保湿を含めたスキンケアがどのくらい有用であるか、皮膚生理機能測定、テープストリッピングによる生化学的分析、顔面の画像評価(赤み成分、黒み成分)をもちいて研究を行っています。(鷲崎、松永、本村)
  4. 乾癬臨床研究
    乾癬患者のQOL調査、乾癬性関節炎の超音波断層法による評価の有用性の検討、爪変形のダーモスコピーによる評価の確立などの臨床研究を行っています。今後は乾癬患者の角層をテープストリッピングで採取し角化関連分子の定量を行い、皮膚生理機能との関連、乾癬病性との関連に付き解析する予定です。(石河・橋本、松永、宇山)

代表論文

  1. Kenji Yoshida, Ken Ishii, Atsushi Shimizu, Mariko Yokouchi, Masayuki Amagai, Ken Shiraishi, Yuji Shirakata, John R Stanley and Akira Ishiko. Non-pathogenic pemphigus foliaceus (PF) IgG acts synergistically with a directly pathogenic PF IgG to increase blistering by p38MAPK-dependent desmoglein 1 clustering. J Dermatol Sci 85(3):197-207,2017
  2. Hashimoto Y, Uyama M, Takada Y, Yoshida K, Ishiko A. Dermoscopic features of nail psoriasis treated with biologics. J Dermatol 44(5):538-541,2017
  3. Compound heterozygosity for novel splice site mutations of ITGA6 in lethal junctional epidermolysis bullosa with pyloric atresia. Masunaga T, Ogawa J, Akiyama M, Nishikawa T, Shimizu H, Ishiko A. J Dermatol 2017 Feb 44(2):160-166
  4. Iwata H, Witte M, Samavedam UK, Gupta Y, Shimizu A, Ishiko A, Schröder T, Seeger K, Dahlke M, Rades D, Zillikens D, Ludwig RJ. Radiosensitive Hematopoietic Cells Determine the Extent of Skin Inflammation in Experimental Epidermolysis Bullosa Acquisita. J Immunol 195(5):1945-54, 2015
  5. Yoshida K, Takada Y, Hagihara S, Masunaga T, Ishiko A. Japanese case of Herlitz junctional epidermolysis bullosa that initially showed a few blisters on the limited area. J Dermatol 41(4):351-3, 2014
  6. Kanto H, Washizaki K, Ito M, Matsunaga K, Akamatsu H, Kawai K, Katoh N, Natsuaki M, Yoshimura I, Kojima H, Okamoto Y, Okuda M, Kuwahara H, Sugiyama M, Kinoshita S, Mori F. Optimal patch application time in the evaluation of skin irritation. J Dermatol 40(5):363-9, 2013.
  7. Ohshima H, Kinoshita S, Oyobikawa M, Futagawa M, Takiwaki H, Ishiko A, Kanto H. Use of Cutometer area parameters in evaluating age-related changes in the skin elasticity of the cheek. Skin Res Technol 19(1):e238-42, 2013
  8. Ohshima H, Takiwaki H, Washizaki K, Ishiko A, Itoh M, Kanto H. Quantitative evaluation of patch test reactions: a comparison between visual grading and erythema index image analysis. Skin Res Technol 17(2):220-5, 2011
  9. Saleh MA, Ishii K, Yamagami J, Shirakata Y, Hashimoto K, Amagai M. Pathogenic anti-desmoglein 3 mAbs cloned from a paraneoplastic pemphigus patient by phage display. J Invest Dermatol 132:1141-8, 2012
  10. Ishii K, Lin C, Siegel DL, Stanley JR. Isolation of Pathogenic Monoclonal Anti-Desmoglein 1 Human Antibodies by Phage Display of Pemphigus Foliaceus Autoantibodies. J Invest Dermatol 128: 939-948, 2008

教育の概要

学部

  1. 皮膚科学(3年次Ⅲ期 18コマ)
    一般臨床医として必要な皮膚科学の知識を講義を通じて把握します。すなわち、皮膚の構造と機能を理解し、主要な皮膚疾患の病態生理、検査と診断、治療を学びます。担当教員は石河晃、関東裕美、石井健、橋本由起、福田英嗣、新山史朗、樋口哲也の7名です。
  2. 臨床実習皮膚科学(5年次 1週間×36グループ)
    1週間の臨床実習を大森病院の外来、病棟診療、クルズス、カンファレンス参加にて行います。外来では初診患者の予診を担当し、患者さんから要領よく病歴を聴取し問題点を抽出できる能力および、皮疹を正しく記載し、考えられる疾患を列挙できる能力を養います。また病棟では患者さんを1名担当し、問題点の抽出、解決策を考え理解を深めます。クルズスを通じて主要な疾患の知識を整理し、概念、診断、治療につき説明できるレベルの能力を養います。
  3. 総合臨床講義(5年次 1コマ)
    各診療科にまたがる疾患、病態、治療について、各専門領域の枠組を越えて総合的に学びます。皮膚科担当は薬剤性皮膚障害です。重症薬疹の臨床像と診断、治療につき学びます。
  4. 臨床実習皮膚科学(6年次 4週間 選択)
    選択実習として4週間皮膚科診療チームに配属され、実臨床に接しながら皮膚科臨床の知識、技能、態度を習得します。

大学院

  1. 専攻科目「皮膚科学」
    皮膚科諸疾患に関する専門知識の習得をするとともに、皮膚病理学、免疫組織学、免疫電顕学、遺伝医学、アレルギー学を学び、原因不明の疾患の解析、発症機序の解明、増悪因子の検出、原因除去法、治療法の開発を目指します。形態学的手法やアレルゲン解析法を用いた研究を行うことにより、自ら研究を展開してゆく能力を獲得することを目指します。研究成果は学会発表、学位論文を作成します。担当教員は石河晃、石井健、福田英嗣、新山史朗、樋口哲也です。
  2. 共通選択科目「腫瘍専門医療コース」1コマ
    内臓悪性腫瘍を合併する皮膚疾患についてクルズス形式で学びます。

診療の概要

あらゆる皮膚科疾患の診療を行っています。診断が困難あるいは難治な症例、アレルギー性疾患のアレルゲン検索、悪性腫瘍、手術必要症例、入院加療の必要な急性感染症・中毒疹など、幅広く対応しています。外来は4診で進行し、2015年度の外来述べ患者数は36,564名でした。毎日皮膚生検、小手術を行い、昨年度の手術病理検体は938件を数えました。即日入院の受け容れも可能な限り対応し昨年度の新入院患者数は429名でした。午後の時間を中心に以下の多数の特殊外来を開設しています。
水疱症外来:表皮水疱症、自己免疫性水疱症の特殊診断治療。接触アレルギー外来:接触皮膚炎・薬疹などに対するパッチテスト、プリックテスト、負荷試験。乾癬外来:生物学的製剤による乾癬治療。光線外来:ナローバンドUVB、エキシマライト 照射治療。皮膚外科外来:手術患者、悪性腫瘍患者のフォロー、手術相談。爪外来:陥入爪、巻き爪の矯正治療。美容外来:しみ、にきびに対するIPLとケミカルピーリング。レーザー外来:Q スイッチ・ルビーレーザー治療。
病診連携に積極的に取り組み、日常診療においては、患者紹介元の先生には経過も含めた詳しい情報提供をしています。当院初診の軽症患者の地域紹介も積極的に行っています。また、東邦デルマ懇話会など、病診連携の会を多く企画し、地域一帯となった質の高い皮膚科診療を目指しています。

その他

社会貢献

医師会や企業、患者団体主催の講演会にて多くの講演を行っています。2015年度は下記の会合にて36の演題発表、講演を行いました。
  • Debra Japan
  • 品川区皮膚科医会
  • 東邦デルマ懇話会
  • 日本コスメティック協会
  • 札幌市皮膚科医会
  • 東京乾癬研究会
  • 日本エステティック財団
  • からかさ会
  • 岡山県医師会皮膚科部会
  • 釧路市民公開講座
  • 城南皮膚科医会
  • ドボベット発売1周年記念講演会
  • 城南PSORIASIS Meeting
  • Psoriasis Café
  • 目黒皮膚科医会
  • 東邦バイオフォーラム
  • 東邦蒲田皮膚科合同カンファレンス
  • 蒲田医師会
  • 多摩川デルマフォーラム
  • ラジオ日経マルホ皮膚科セミナー
  • 厚労省科研費補助金成果発表会
  • 八王子皮膚科部会
  • アロマ東葛皮膚臨床懇話会

学会活動

2015年度教室員が発表・講演した学会は以下の通りです。
  • 日本皮膚科学会総会(横浜)
  • 日本皮膚科学会東京東部支部合同学術大会(東京)
  • 日本皮膚科学会西部支部学術大会(長崎)
  • 日本皮膚科学会中部支部学術大会(神戸)
  • 日本皮膚科学会東京地方会(東京 年6回)
  • 日本皮膚科学会新潟地方会(新潟)
  • 日本臨床皮膚科医会九州ブロック総会(福岡)
  • 日本皮膚病理組織学会(東京)
  • 皮膚かたち研究学会(東京)
  • 日本皮膚悪性腫瘍学会(大阪)
  • 日本褥瘡学会(仙台)
  • 日本小児皮膚科学会(鹿児島)
  • 日本乾癬学会(名古屋)
  • 水疱症研究会(福島)
  • 日本皮膚アレルギー接触皮膚炎学会(島根)
  • 23rd World congress of dermatology (Vancouver)
  • 45th annual meeting of European dermatological research association (Rotterdam)
  • 40th Japanese society for investigative dermatology (Okayama)
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151