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病理学講座

所属教員名

運営責任者

講座概要

病理解剖、病院の病理診断を日常業務として行いながら、そこで生じた疑問を臨床病理学、組織病理学、分子生物学などの手法を用いて解決していくよう努めています。日常業務の訓練により疾病を形態的に捉えられるようになりますが、形態学に留まらず、遺伝子・蛋白レベルの異常を捉え、病気・病変が発生するメカニズムを解明していくことを目指しています。質の高い病理診断ができるのみならず、病理診断の経験に基づいた研究のできる病理医の育成を行うことが第一の使命ですが、病理学に理解のある優れた臨床医の育成にも力を注ぎ、東邦大学の診療レベルの向上にも貢献したいと考えています。

研究の概要

【画像】乳癌におけるmTORシグナル系タンパクの発現

当研究室では、東邦大学医療センター大森病院の病理診断を日常業務として行いながら、臨床病理学的研究、分子病理学的研究を行っています。 実際の症例から学び、そこから派生した疑問を様々な手法を取り入れて、病気・病態を解明する研究に展開させるよう心掛けています。 免疫組織化学染色、がん遺伝子の解析、蛋白解析、培養細胞を用いた蛋白・遺伝子発現解析、遺伝子改変ラットを用いた組織学的解析などにより、遺伝子、蛋白レベルの研究から、 ヒト疾患の病理組織学的解析まで、幅広い研究ができる研究室です。

 1.潰瘍性大腸炎における発癌・進展機構
 2.皮膚の創傷治癒の分子制御による治癒促進法開発
 3.癌や加齢性疾患とホルモンの関係についての研究
 4.癌浸潤転移における間質制御機構
 5.癌の臨床病理学的および分子病理学的解析

代表論文

  1. Honma N, Matsuda Y, Arai T, Kawachi H, Akishima-Fukasawa Y, Yamamoto N, Ueno M, Ishikawa Y, Mikami T. (2020) Impact of older age on clinicopathological and prognostic features of colon cancer in postmenopausal women. Pathol Int. 22. [Epub ahead of print]
  2. Honma N, Makita M, Saji S, Mikami T, Ogata H, Horii R, Akiyama F, Iwase T, Ohno S. (2019) Characteristics of adverse events of endocrine therapies among older patients with breast cancer. Support Care Cancer. 27(10):3813-3822.
  3. Koezuka S, Mikami T, Tochigi N, Sano A, Azuma Y, Makino T, Otsuka H, Matsumoto K, Shiraga N, Iyoda A. (2019) Toward improving prognosis prediction in patients undergoing small lung adenocarcinoma resection: Radiological and pathological assessment of diversity and intratumor heterogeneity. Lung Cancer. 135:40-46.
  4. Ito K, Ogata H, Honma N, Shibuya K, Mikami T. (2019) Expression of mTOR Signaling Pathway Molecules in Triple-Negative Breast Cancer. Pathobiology. 2019;86(5-6):315-321.
  5. Ogata H, Mitsuzuka Y, Honma N, Yoshida M, Sumazaki M, Saito F, Kobayashi M, Shibuya K, Mikami T, Kaneko H. (2018) Sonographic visualization of nipple blood flow can help differentiate Paget disease from benign eczematous nipple lesions. PLOS ONE 13(5):e0197156.
  6. Akishima-Fukasawa Y, Ishikawa Y, Mikami T, Akasaka Y, Ishii T. (2018) Settlement of stenotic site and enhancement of risk factor load for atherosclerosis in left anterior descending coronary artery by myocardial bridge. Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology 38(6):1407-1414.
  7. Honma N, Saji S, Mikami T, Yoshimura N, Mori S, Saito Y, Murayama S, Harada N. (2018) Estrogen-related factors in the frontal lobe of Alzheimer's disease patients and importance of body mass index. Sci Rep 7(1):726.
  8. Kanada S, Sugita A, Mikami T, Ohasi K, Hayashi H. (2017) Microcarcinoid arising in patients with long standing ulcerative colitis: histological analysis. Hum Pathol 64(6):28-36.
  9. Nakamichi M, Akishima-Fukasawa Y, Fujisawa C, Mikami T, Onishi K, Akasaka Y. (2016) Basic Fibroblast Growth Factor Induces Angiogenic Properties of Fibrocytes to Stimulate Vascular Formation during Wound Healing. Am J Pathol 186(12):3203-3216.
  10. Makino T, Mikami T, Hata Y, Otsuka H, Koezuka S, Isobe K, Tochigi N, Shibuya K, Homma S, Iyoda A. (2016) Comprehensive biomarkers for personalized treatment in pulmonary large-cell neuroendocrine carcinoma: a comparative analysis with adenocarcinoma. The Annals of Thoracic Surgery 102:1694-1701.
  11. Honma N, Hosoi T, Arai T, Takubo K. (2015) Estrogen and cancers of the colorectum, breast, and lung in postmenopausal women. Pathol Int 65(9):451-459.

教育の概要

学部

病理学は基礎医学と臨床医学の架け橋的位置にあり、当教室は、医学部2年生の「病態の科学」の病理学分野、2,3年生の「臨床病理学①②」、6年生の選択制臨床実習を病院病理学講座と協力して担当しています(医療センター大森病院の病院病理部での臨床実習にも関与しています)。病理学では、 講義・実習を通して、正常と比較してどこがどのように異常なのか、それによりどのような病態が起こるのかを理解することを目指します。さらにグループで一例の病理解剖症例をまとめる参加型実習を取り入れ、臨床所見と肉眼・組織所見を関連して理解する体験をします。4年生の臨床実習において、自ら臨床検体に対して病理学的所見をとることができ、病理診断書の作成ができることがこの段階までの到達目標です。さらに、6年生の選択制実習では病院における実際の病理診断業務にさらに深く触れ、病院という組織の中での病理診断学の役割と重要性を理解し、また、病理解剖症例を自ら解析してまとめる作業を通じて症例を病理学的に全身的に考察することができることを目指します。

病理学の性格上、顕微鏡を使用することが多くなりますが、単に組織を観てスケッチをするだけではなく、低学年の実習では病気を論理的に考える力を身に着けることを目標に、臨床実習ではさらに、student doctorとして自ら考え責任をもって診断するとはどういうことか考えながら実習に当たってください。

大学院

[博士課程]
実験医学入門(3コマ)(赤坂)
病態機構(5コマ)(赤坂、三上、本間)

[修士課程]
医科学研究序論 (3コマ)(赤坂、三上)
病理病態学特論 (15コマ)(三上、赤坂、本間、深澤)
生体応答系:病理学(演習・実習)

その他

社会貢献


  • 2017年度 中学生未来の医学“夢”スクール 開催
  • 東邦大学医学部看護学部共催「小学生夏の医学校」:基礎医学実習「脳を科学する」補助
  • 駒場東邦中学校の研究室訪問

学会活動

講座として主要な学会と位置付けているものは以下の通りです。
  • 日本病理学会
  • 日本創傷治癒学会
  • 日本癌学会
  • 日本臨床細胞学会
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151