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微生物・感染症学講座 感染病態・治療学分野
            感染制御学分野

所属教員名

舘田 一博  / 教 授
石井 良和  / 教 授
木村 聡一郎 / 講 師
梶原 千晶  / 助 教
山口 哲央  / 助 教
南條 友央太 / 助 教

運営責任者

講座概要

微生物・感染症学講座は1927年9月、岩田三史、オットー・ショウブル両教授の下、細菌学講座として発足しました。その後1954年、5代教授の桑原章吾先生の時代に、扱う対象から微生物学講座となり、1990年、8代教授の山口惠三先生により感染症との繋がりを反映して微生物・感染症学講座に改称されました。
微生物学は、感染症を理解する基本であり、感染症を知る出発点です。すなわち当講座の基本概念は研究主体が微生物学であり、感染症に十分な見識を持つこと、になります。
1999年の「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」制定にはその一端を担いましたが、目に見えない微生物に未だ一歩先を越されながら、感染症撲滅あるいは上手な共存のため、まい進しています。

研究の概要

感染症の発症機序の解明

現在臨床の場で最も難治性と考えられている菌種にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、多剤耐性緑膿菌、などがあります。当講座では、これらの菌種による実験感染モデルを開発しつつ、宿主の生体防御能に対する細菌の抵抗性メカニズムの解析、宿主粘膜細胞に対する細菌の付着能の研究、細菌の産生毒素や宿主サイトカインと感染成立との関係に関する検討など、あらゆる角度からこれらの感染症の発症メカニズムを追及し、その原因を明らかにするとともに、その治療面への応用を実験的に試みています。特に、我々によって確立されたPRSPやヘモフィルスによるマウス肺炎モデルや顆粒球減少マウスを用いた緑膿菌性内因性感染症モデルは、実際の臨床でみられるものと極めて類似しており、肺炎や院内発症型敗血症の解明に役立っています。

感染症における治療法および抗菌薬投与法に関する研究

緑膿菌慢性気道感染に対するエリスロマイシン少量長期投与やフォスミシンの有効性メカニズムの解析、PRSP肺炎に対する治療法、非特異的感染防御因子と抗菌薬との併用療法などに関して、感染実験モデルを用いた検討を行っています。また、一方では新規抗菌薬について、in vitroおよびin vivoにおける抗菌力の評価、および小動物実験モデルを用いた感染防御および治療効果に関する研究などを行っています。

耐性菌に関する研究

院内感染症の起炎菌としては耐性菌が重要で、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、PRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌)、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)、MDRP(多剤耐性緑膿菌)、さらには第三世代セフェムあるいは第四世代セフェム系薬を分解する基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ (extended spectrum β-lactamase: ESBL)産生菌の増加が問題となっています。全国規模で行われている耐性菌サーベイランスの責任者として複数の研究に携わっており、耐性菌に関する疫学情報を提供しています。β-ラクタマーゼに関する研究では、Toho-1(現CTX-M-44)およびToho-2(現CTX-M-45)などの新規酵素を報告しています。さらに、日本で見出されていないクラスAに属するカルバペネム系薬分解型酵素、極めて稀であるが欧米や韓国で問題となっているクラスCに属するプラスミド性酵素、およびMDRPの問題とも相俟って日本で問題視されているクラスBに属する酵素の性質を詳細に解明して報告しています。加えて、欧米の研究者とも共同でβ-ラクタマーゼ阻害剤の研究も開始しています。

院内感染症とその疫学

院内感染症は、その予後が極めて悪いことから臨床的には最も問題のある感染症です。大森病院の臨床検査部微生物検査室の責任者として、検査内容をより充実させ、精度の高い結果をより迅速に臨床に報告するよう改善を続けています。また、院内感染症の実態把握に力を注ぐとともに、その情報を迅速に臨床の場にフィードバックし院内感染の早期発見、予防に役立てるよう努力しています。

感染症コンサルテーション

東邦大学医学部総合診療・急病科学講座感染症科に専任・兼任医師として勤務し、定期的に感染症カンファランス(原則として毎週月曜日午後)を開くとともに、難治感染症や各種耐性菌による感染症を対象としたコンサルテーションに応じています。また,当付属病院がAIDS受け入れ拠点病院に指定されたことから,週2回感染症外来(AIDS診療・感染症コンサルテーションが中心)を受け持つようになっています。臨床で得られた情報をもとに基礎的研究を進展させる反面、基礎的研究の情報を臨床にフィードバックすることで、基礎と臨床の融合を図っています。

代表論文

  1. Urabe N, Ishii Y, Hyodo Y, Aoki K, Yoshizawa S, Saga T, Murayama SY, Sakai K, Homma S, Tateda K olecular epidemiologic analysis of a Pneumocystis pneumonia outbreak among renal transplant patients.Clinical Microbiology and Infections 22 (4) :365 -371 , 2016
  2. Nakagawa T, Mori N, Kajiwara C, Kimura S, Akasaka Y, Ishii Y, Saji T, Tateda K ndogenous interleukin-17 as a factor determining severity of Clostridium difficile infection in mice. ournal of medical microbiology 65(8) :821 -827 , 2016
  3. Sano G, Itagaki T, Ishiwada N, Matsubara K, Iwata S, Nakamori Y, Matsuyama K, Watanabe K, Ishii Y, Homma S, Tateda K. haracterization and Evaluation of Newly Developed Immune-Chromatographic Method Targeting Mycoplasma pneumoniae Ribosomal Protein L7/L12. J Med Microbiol. 2016 Aug 19. doi:
  4. Yoshioka D, Kajiwara C, Ishii Y, Umeki K, Hiramatsu K, Kadota J, Tateda K. fficacy of β-Lactam-plus-Macrolide Combination Therapy in a Mouse Model of Lethal neumococcal Pneumonia. 60(10):6146-6154 , 2016
  5. Ito-Horiyama T, Ishii Y, Ito A, Sato T, Nakamura R, Fukuhara N, Tsuji M, Yamano Y, Yamaguchi K, Tateda K. tability of Novel Siderophore Cephalosporin S-649266 against Clinically Relevant Carbapenemases. ntimicrob Agents Chemother. 60(7):4384-4386 , 2016.
  6. Mori N and Yoshizawa S (equally contributed), Saga T, Ishii Y, Murakami H, Iwata M, Collins DA, Riley TV, Tateda K. Incorrect diagnosis of Clostridium difficile infection in a university hospital in Japan. Journal of Infection and Chemotherapy 21 (10) :718 -722 , 2015
  7. Fukui Y, Aoki K, Okuma S, Sato T, Ishii Y, Tateda K. etagenomic analysis for detecting pathogens in culture-negative infective endocarditis. Journal of Infection and Chemotherapy 21 (12) :882 -884 , 2015
  8. Mano Y, Saga T, Ishii Y, Yoshizumi A, Bonomo RA, Yamaguchi K, Tateda K. olecular analysis of the integrons of metallo-β-lactamase-producing Pseudomonas aeruginosa isolates collected by nationwide surveillance programs across Japan. BMC Microbiology 15 :41 , 2015
  9. Yoshizumi A., Ishii Y., Iwata M., Murakami H., Yumoto S., Yasui K., Maehara C., Fukuzawa S., Enokizono K., Tateda K.. aptomycin susceptibility of 833 strains of Gram-positive cocci from a university hospital in Japan (2009-2011). Diagnostic Microbiology and Infectious Disease 80 (2) :151 -153 , 2014
  10. Haque A, Yoshizumi A, Saga T, Ishii Y, Tateda K. SBL-producing Enterobacteriaceae in environmental water in Dhaka, Bangladesh. Journal of Infection and Chemotherapy 20 (10) :Epub ahead of print , 2014

教育の概要

学部

医学微生物学とは、人における感染症の原因微生物、その遺伝と変異に関する基礎知識、発症機序、治療法および予防法を正しく把握するための、基礎医学の一分野です。講義では微生物の病原因子の発症への関わり、病状の進行、治療法およびその予防法の基礎理論を理解し、実習では、ベットサイドにおける診断技術を体得するための基本的技術および考え方の習得に重きを置いています。
感染症の変遷は著しく、病因となる微生物の種類およびその感染様式は多様化しており、化学療法も同様に著しく進歩しています。このような現状を踏まえ、感染症学の基礎知識と技術の習得を重視した講義、実習を行っています。
感染症の診断・治療および予防に重要な医学微生物についての基本的知識、技術を身につけることを学習目標とします。

大学院

医科学専攻修士課程
共通必修 医科学研究序論2単位(分担)
共通選択 感染症学特論2単位,臨床検査医学特論2単位(分担)
専攻科目 生体応答系 微生物・感染症学講座16単位(演習4,実習12)

医学専攻博士課程
共通必修 実験医学入門コース1単位(分担),研究者養成コース1単位
共通選択 生体防御機構コース1単位(分担),病態機構コー2単位(分担),
研究者養成上級コース1単位

専攻科目 代謝機能制御系
臨床検査医学20単位(講義4;分担,演習12;分担)
臨床検査医学(non MD)20単位(講義4;分担,演習12;分担,実習4;分担)
臨床腫瘍学20単位(講義4;分担)
生体応答系 
微生物・感染症学講座20単位(講義4,演習12,実習4)
感染免疫学20単位(講義4,演習12,実習4)

社会貢献

東邦大学内外からの検体について、次の検査を実施している。
  • レジオネラ特殊検査
  • 多剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症の併用治療薬に関する検査
  • 各種耐性菌の耐性因子の特定
  • 同定が困難な菌株の菌種同定
その他
  • 微生物・感染症地域連携症例検討会

学会活動

公益社団法人日本化学療法学会
一般社団法人日本感染症学会
一般社団法人日本臨床微生物学会
一般社団法人日本環境感染学会
日本内科学会
緑膿菌感染症研究会
Ammbasodor of Japan (American Society for Microbiology)
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151