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免疫学講座

所属教員名

運営責任者

講座概要

免疫学講座は1976年に、「免疫学研究室」として開設され、初代教授は小児科学講座の矢田純一教授が担当しました。1979年に矢田純一教授が東京医科歯科大学に転出し、小児科学講座の新保俊和講師が研究室を引き継ぎました。1981年に新保俊和講師が帝京大学に転出後は、微生物学講座の後藤瑳智子教授が教室責任者として、藤原道男東京大学医科学研究所助教授と共に教育活動を行いました。1984年10月に、東京大学免疫学教室の木村一郎助教授が第2代教授に着任し、免疫学研究室が再出発しました。その後、1991年に「免疫学研究室」から「免疫学講座」に昇格しました。1992年3月に木村一郎教授が定年退職し、同年4月より垣内史堂東京大学医科学研究所助教授が第3代教授に着任しました。2010年3月に垣内史堂教授が定年退職後、2010年6月より、第4代教授として近藤元就教授が着任し、現在に至ります。

研究の概要

I サイトカイン受容体のリンパ球分化における機能の解明

 分泌タンパク質であるサイトカインは、細胞の増殖、分化、そして細胞死抑制作用を持っています。生体内では、種々のサイトカインによる細胞の運命決定機構により、様々な細胞機能の調整が精密に行われています。血球、リンパ球分化におけるサイトカインの重要性はこれまでの研究により明らかになっていますが、サイトカイン受容体からどのようなシグナル伝達系を通して機能が発揮されるのか、その分子レベルでの解析は十分とはいえません。私たちの研究室ではcommon gamma鎖を受容体サブユニットとして使用するサイトカインファミリーの1つである、IL-7に着目し、リンパ球分化のどの段階で、なぜIL-7の刺激が必要なのか、また、その際に必要なシグナル伝達系はどのようなものかを明らかにする研究を行っています。これまでに、IL-7/IL-7受容体系機能不全により、免疫不全症が発症することが明らかになっています。また、ある種の白血病発症にIL-7が関与していることや、IL-7の自己免疫疾患への関与も示唆されています。さらに、骨髄移植後のリンパ球再構築の促進のために、IL-7を臨床応用していくことも考えられています。
このように様々な病態と密接な関係を持つIL-7/IL-7受容体の機能解析を通じて、リンパ球分化の分子機構を明らかにしていくことを目指しています。

II 免疫寛容成立の分子機構の解明

 免疫反応とは、自己と非自己を識別し、自己には反応せず、非自己を排除する生体内機構のことです。このなかでも、自己に対して反応をおこさないことは免疫寛容と呼ばれ、免疫寛容の破綻は自己免疫疾患の発症につながります。生体内における免疫反応に関しては、これまでに多くの研究が行われ、そのメカニズムが明らかになりつつあります。しかしながら、免疫寛容成立の分子制御機構は、未だに全てが解明されてはいません。私たちは自己免疫疾患発症機構、あるいはがん細胞に対する免疫不応答の仕組みを念頭におき、免疫寛容成立機構の理解を深めて行くことを目指しています。

代表論文

  1. Acetylation modulates interleukin 2 receptor signaling in T cells. Kuwabara, T., Kasai, H., and Kondo, M. J. Immunol. J. Immunol. 197, 4334-43,2016
  2. SATB1 plays a critical role in establishment of immune tolerance. Kondo, M., Tanaka, Y., Kuwabara, T., Naito, T., Kohwi-Shigematsu, T., and Watanabe, A. J. Immunol. 196, 563-72, 2016
  3. An anti-silencer- and SATB1-dependent chromatin hub regulates Rag1 and Rag2 gene expression during thymocyte development. Hao, B., Nalk, A.K., Watanabe, A., Tanaka, H., Chen, L., Richards, H.W., Kondo, M., Taniuchi, I., Kohwi, Y., Kohwi-Shigematsu, T., and *Krangel, M.S. J. Exp. Med. 212, 809-24, 2015
  4. Thymic precursors of TCR+CD8+ intraepithelial lymphocytes are negative for CD103. Guo, X., Tanaka, Y., and Kondo, M. Immunol. Lett. 163, 40-48, 2015
  5. CCR7 ligands up-regulate IL-23 through PI3-kinase and NF-kappaB pathway in dendritic cells. Kuwabara, T., Tanaka, Y., Ishikawa, F., Kondo, M., Sekiya, H., and Kakiuchi, T. J. Leukoc. Biol. 92, 319-36, 2012
  6. Activation of MEK/ERK signaling pathway is involved in myeloid lineage commitment. Hsu, C. -L., Kikuchi, K., and Kondo, M.,Blood 110, 1420-1428, 2007
  7. Asymmetrical lymphoid and myeloid lineage commitment in multipotent hematopoietic progenitors. Lai, A.Y., and, Kondo, M. J. Exp. Med 203, 1867-1873, 2006
  8. Antagonistic effect of CCAAT enhancer-binding protein-a and Pax5 in myeloid or lymphoid lineage choice in common lymphoid progenitors. . Hsu, C. -L., King-Fleischman, A.G., Lai, A.Y., Matsumoto, Y., Weissman, I.L., and, Kondo, M. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103, 672-677, 2006
  9. Il-7 receptor signaling is necessary for stage transition in adult B cell development through upregulation of EBF. Kikuchi, K., Lai, A.Y., Hsu, C. -L., and, Kondo, M. J. Exp. Med. 201, 1197-1203, 2005
  10. Cell-fate conversion of lymphoid-committed progenitors by instructive actions of cytokines. Kondo, M., Scherer, D. C., Miyamoto, T., King, A. G., Akashi, K., Sugamura, K., and Weissman, I. L. nature 407, 383-386, 2000

教育の概要

学部

 生物がその生命を維持するためには、細胞から個体に到るまで恒常性を保つ必要があります。そのために生物は様々な仕組みを持っていますが、免疫系も個体レベルの恒常性を維持する仕組みの一つに含まれます。免疫系の大きな特徴は、自己と非自己を識別し、認識する能力を持つことです。このような自己・非自己認識能力獲得のメカニズムから恒常性維持のメカニズムまで、免疫系のいろいろな機能を解明し、疾患の予防や治療に貢献することが医学における免疫学の目標です。近年の免疫学における進歩はめざましく、現在もなお発展を続けています。免疫学は、生物科学の他の領域でもいろいろな分野でその発展に寄与しており、生命科学の基礎としての側面も持っています。またその成果は臨床医学にも広く取り入れられ、病因の追求や診断・治療に用いられています。こうした現状を踏まえて、医学部における履修科目としての免疫学では、免疫反応の特徴を理解するために、その担い手となる細胞の働きから、個体レベルでの恒常性維持のメカニズムについて基本的な考え方と知識を習得することを目標としています。

領域:病態の科学
サブ領域:病態の科学I
ユニット:免疫学
対象学年:2年、ユニット授業期間:1期、ユニット時限数:15、ユニット分類:講義
サブ領域:病態の科学実習
ユニット:病態の科学実習I
対象学年:2年、ユニット授業期間:1期、ユニット時限数:18、ユニット分類:実習

大学院

医科学専攻修士課程
共通必修 医科学研究序論(2単位:分担)
共通選択 免疫学特論(2単位)
専攻科目 生体応答系 分子免疫学 分子免疫学演習(4単位)分子免疫学実習(12単位)

医科学専攻博士課程
共通必修 実験医学入門コース(1単位:分担)
共通選択 生体防御機構コース(2単位)
専攻科目 生体応答系 分子免疫学 分子免疫学特論I・II(4単位)、分子免疫学演習(12単位)、分子免疫学実習(4単位)

その他

社会貢献

 免疫学講座では、東邦大学医学部・看護学部共催「小学生夏の医学校」に第一回(2008年開始)より継続して、実行委員として参加しています。

 2013年、第2回中学生未来の医学‘夢’スクール「病原体から身を守る免疫の働き」を主幹として開催しました。
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151