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社会医学講座衛生学分野

所属教員名

西脇 祐司 / 教 授
朝倉 敬子 / 准教授
今村 晴彦 / 助 教
中村 孝裕 / 助 教

運営責任者

講座概要

衛生学という分野は、非常に古くて、また新しい学問です。ヒトは様々な環境の中で生活をしており、環境は健康に影響を及ぼしますが、その環境も時代と共に変化していくからです。この環境の中には、物理的環境、化学的環境、生物学的環境などに加え、社会環境や栄養環境なども含まれます。こうした環境と健康との関連を探求し、その成果を人類のよりよい健康のために生かしていこうというのが衛生学の基本姿勢であると理解しています。また当教室では、疫学的なアプローチを駆使して、臨床医学上の問題にも多く取り組んでいます。人類の健康問題解決のため、教育、研究、社会貢献に教室員一同、日々頑張っていく所存です。

研究の概要

当教室では、疫学を主たる方法論として、衛生学の多岐にわたる課題解決のため研究を行っています。
  1. 環境・産業保健
    黄砂、PM2.5の健康影響に関する研究

    長崎大学らと共同で、黄砂曝露の短期健康影響に関する一連の研究を実施してきました1,2)。現在も、小児を対象とした前向き研究が継続しています。また、PM2.5の循環器疾患への長期影響に関する研究も実施しており3)、一部は現在進行中です。

    光曝露の健康影響に関する研究
    東海大学工学部と共同で、紫外線、可視光(含、ブルーライト)の個人曝露定量化機器を開発しています4,5)。この機器を用いて、紫外線曝露とビタミンD、眼へのブルーライト曝露とサーカディアンリズムなどの研究を計画、実施中です。
  2. 栄養
    栄養素摂取量の記述疫学研究

    詳細な食事調査に基づく日本人成人、小児の栄養素摂取量に関する研究を行っています。各年代・性別における栄養素摂取量を正確に記述することで日本人の食習慣の良い点・改善の必要な点を明らかにし、今後必要な対応について検討しています6,7)

    食習慣改善に関する研究
    予防医学の観点から、食習慣改善に資する食育・食環境整備の研究を行っています。栄養学、医学、保健学などに基づく食育教材とその教育効果判定方法の開発を進めています。物理的・社会的食環境を定量的に評価し食習慣との関連を検討、さらに食環境への介入の可能性についても検討しています8)
  3. 社会疫学
    地域の”つながり”とその健康影響に関する研究

    自治体と共同で住民を対象とした疫学調査を実施し、地域のソーシャル・キャピタルや家族関係、住民組織活動(特に保健補導員や保健推進員などの活動)などの”つながり”に着目して、健康との関連を探っています9,10)。地域のコミュニティづくりの実践に資する研究を心がけており、アクションリサーチなどへの展開も検討中です。
  4. 感染症
    自治体と共同で、感染症の罹患状況や伝播に関する疫学研究を行っています。また、長崎大学熱帯医学研究所と共同で、国際保健分野の感染症研究も開始しました。
  5. エイジング
    高齢者コホート研究

    65歳以上の地域在住高齢者が対象の追跡研究です。特に感覚器や運動器の機能低下をメインターゲットとしています。これまでに多くの成果を報告してきました代表論文11-14)

    筋骨格系慢性疼痛に関する全国疫学調査
    慶應義塾大学と共同して実施しております1万人超の疫学調査です15-17)。筋骨格系の慢性疼痛の実態を明らかにしてきました。
  6. ライフコース疫学
    学童期、思春期健康状態の長期影響に関する研究

    自治体と共同で、小学生、中学生の健診データと成人後データの連結を行い、世界的にも稀有なリンケージ研究を実施しています18,19)。学童期、思春期の有効な健康管理法の確立に資することを目指しています。
  7. 臨床疫学
    炎症性腸疾患に関する疫学研究

    特定疾患である炎症性腸疾患について、全国疫学調査、記述疫学研究、分析疫学研究を実施しています20,21)

    臨床各科との共同研究
    これまでに多くの臨床科と共同して研究を実施して参りました。また研究計画の立案、データ収集、解析などの支援もしております。

  1. J Epidemiol. 2015;25:289-96.
  2. J Epidemiol. 2016;26:593-601
  3. J Atheroscler Thromb. 2013;20:296-309.
  4. Nihon Eiseigaku Zasshi. 2013;68:118-25. In Japanese.
  5. Toho J Med.2016;2:86-94.
  6. Public Health Nutr. 2016;19:2011-23.
  7. Br J Nutr. 2014;112:1195-205.
  8. J Epidemiol. 2017 (in press)
  9. Int J Environ Res Public Health 2016;13, 860.
  10. Nihon Koushu Eiseigaku Zassi. 2017;64:25-35. In Japanese.
  11. J Epidemiol. 2010;20:271-6.
  12. J Am Geriatr Soc. 2012;60:1304-9
  13. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2013;68:869-75.
  14. J Am Geriatr Soc. 2016;64:1480-5.
  15. J Orthop Sci. 2011;16:424-32.
  16. J Orthop Sci. 2014;19:339-50.
  17. J Orthop Sci. 2014;19:667-75.
  18. Hypertens Res. 2014;37:179-84.
  19. Pediatr Res. 2017;81:293-298.
  20. J Gastroenterol. 2012;47:961-8
  21. J Gastroenterol. 2017;52:185-193.

代表論文

  1. Nakamura T, Hashizume M, Ueda K, Shimizu A, Takeuchi A, Kubo T, Hashimoto K, Moriuchi H, Odajima H, Kitajima T, Tashiro K, Tomimasu K, Nishiwaki Y. Asian Dust and Pediatric Emergency Department Visits Due to Bronchial Asthma and Respiratory Diseases in Nagasaki, Japan. J Epidemiol. 2016;26(11):593-601.
  2. Mine T, Tanaka T, Nakasone T, Itokazu T, Yamagata Z, Nishiwaki Y. Maternal Smoking during Pregnancy and Rapid Weight Gain from Birth to Early Infancy. J Epidemiol (in press).
  3. Asakura K, Uechi K, Masayasu S, Sasaki S. Sodium sources in the Japanese diet: difference between generations and sexes. Public Health Nutr. 2016;19:2011-23.
  4. Imamura H, Hamano T, Michikawa T, Takeda-Imai F, Nakamura T, Takebayashi T, Nishiwaki Y. Relationships of Community and Individual Level Social Capital with Activities of Daily Living and Death by Gender. Int J Environ Res Public Health. 2016;13(9).
  5. Nakamura T, Hashizume M, Ueda K, Kubo T, Shimizu A, Okamura T, Nishiwaki Y. The relationship between Asian dust events and out-of-hospital cardiac arrests in Japan. J Epidemiol. 2015;25(4):289-96.
  6. Nagahama S, Kurotani K, Pham NM, Nanri A, Kuwahara K, Dan M, Nishiwaki Y, Mizoue T. Self-reported eating rate and metabolic syndrome in Japanese people: cross-sectional study. BMJ Open. 2014;4(9):e005241.
  7. Asakura K, Uechi K, Sasaki Y, Masayasu S, Sasaki S. Estimation of sodium and potassium intakes assessed by two 24 h urine collections in healthy Japanese adults: a nationwide study. Br J Nutr. 2014;112:1195-205.
  8. Kamitani K, Michikawa T, Iwasawa S, Eto N, Tanaka T, Takebayashi T, Nishiwaki Y. Spinal posture in the sagittal plane is associated with future dependence in activities of daily living: a community-based cohort study of older adults in Japan. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2013;68(7):869-75.
  9. Nishiwaki Y, Michikawa T, Takebayashi T, Nitta H, Iso H, Inoue M, Tsugane S; Japan Public Health Center-based Prospective Study Group. Long-term exposure to particulate matter in relation to mortality and incidence of cardiovascular disease: the JPHC Study. J Atheroscler Thromb. 2013;20(3):296-309.
  10. Nishiwaki Y, Michikawa T, Yamada M, Eto N, Takebayashi T; Kurabuchi Study Group. Knee pain and future self-reliance in older adults: evidence from a community-based 3-year cohort study in Japan. J Epidemiol. 2011;21(3):184-90.

教育の概要

学部

  • 先端医科学演習(2年生)
  • EBM入門(4年生):テュートリアル担当。
  • 統合型社会医学実習(4年生):社会医学系教員が共同して行う実習。グループワークにより、研究の計画、情報の収集と分析、学会形式の発表、論文の作成等を体験し、研究活動の一連の流れを学ぶことで、将来の研究活動に資する知識と経験を獲得する。
  • 衛生学(4年生):社会医学とは、社会環境の中における人間の健康問題を取り扱う学問である。本学では、衛生学分野は主として環境保健、産業保健の講義を担当している。  衛生学の真骨頂は、環境・社会とのかかわりあいの中で健康問題をとらえ、それを解決していくところにある。臨床医学が疾病や患者のサイドから出発する学問とするならば、衛生学は曝露(原因)としての環境・社会因子の側に軸足を置いた学問といえるかも知れない。その研究トピックは古くは感染症、つづいて公害が大きなウエイトを占めていたが、健康問題を取り巻く環境の複雑化に対応する形で衛生学の対象も拡大している。化学物質、地球温暖化、宇宙医学、食と健康、エイジング、小児の健康、酸化ストレス、地球規模の環境汚染、健康リスク評価、生活習慣病予防、などなど枚挙に遑がない。医学部における履修科目としての衛生学では、社会・環境要因と人間の健康についての関係を理解することに重点を置いている。
<以上は、2011カリキュラムの内容です>

大学院

医科学専攻修士課程
共通選択 社会医学特論
共通選択 医療情報学特論
専攻科目 社会環境医療系 衛生学

医学専攻博士課程
 共通選択 環境社会医学コース
 専攻科目 社会環境医療系 衛生学

その他

社会貢献

<自治体協力>
  • 地域保健協議会
  • 健康増進プラン策定
  • 住民組織活動活性化
  • その他
<省庁関連>
  • 環境省 専門委員会検討委員
  • その他
<医師会>
  • 東京都医師会 学術委員会委員
  • 東邦大学医師会役員
<各種講演会>
  • 住民対象
  • 行政の専門職(保健師等)対象
  • 住民組織関係者対象
  • その他

学会活動

教室員が活動する主な学会は以下の通り。
  • 日本衛生学会
  • 日本公衆衛生学会
  • 日本疫学会
  • 日本産業衛生学会
  • International Society for Environmental Epidemiology
  • American Public Health Association
  • International Epidemiological Association
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151