医学部

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化学研究室

所属教員名

加藤 修司 / 教 授
加藤 尚之 / 准教授
池崎 章  / 講 師
岡 真悠子 / 助 教

運営責任者

研究室概要

化学研究室は、大田区大森の帝国女子医学専門学校の拡充にともない東邦大学習志野キャンパス(現・理学部、薬学部、健康科学部)に開設された一般教養科のなかの化学教室に端を発します。その後1975年に現在の大森医学部キャンパスに移転したときに医学部一般教育としての現在の姿の化学研究室となりました。初代・相川嘉正教授(地球化学)および2代・中村幹夫教授(有機化学)によって主宰されてきた化学研究室は、2012年に3代教授として加藤修司が着任し現在に至っています。主に医学部低学年対象の化学を中心とした一般教育全般に携わるかたわら、時代とともに変遷する研究テーマに沿った研究活動を行っています。

研究の概要

様々な実験手法や理論計算を用いて生物無機化学的研究や生物分析化学・環境化学的研究を行っています。
  • NMR、メスバウアー分光法などを駆使し、ヘムタンパク質の機能や物性を明らかにするための生物無機化学的研究、高原子価における新規な電子構造を持つ錯体の合成、物性、反応性に関する研究を行っています。
  • 温泉水中のレジオネラ属菌に対する殺菌作用、生体における銅、鉄、亜鉛などの金属イオンの動態、天然水を対象とした環境化学的研究を、高感度なICP-MSなどを用いて研究しています。
  • 不安定かつ反応性が高いため検出・分析の困難な生体有機過酸化物の迅速分析を目標として、LC-MSを用いた実験やコンピュータ・シミュレーションによる研究を進めています。
新規電子構造を有するポルフィリン錯体
鉄(III)ポルフィリンの高原子価1電子酸化状態について次のような新規電子構造を明らかにしています。
  • 鉄(IV)ポルフィリンと鉄(III)ポルフィリンラジカルのスピン平衡
  • 反磁性的性質を示す新規低スピン鉄(III)ポルフィリンラジカル
  • 常磁性および反磁性低スピン鉄(III)ポルフィリンラジカル間の平衡
  • 反強磁性相互作用を示さない高スピン鉄(III)ポルフィリンラジカル
さらにこれに関連して、スピン制御触媒や電子配置制御触媒の研究も行っています。

生体ヘムタンパク質のモデル研究
金属ポルフィリン錯体研究の展開として、生体ヘムタンパク質であるMauGやシトクロームc’の活性中心についてモデル錯体を用いて研究しています。

温泉に生息するレジオネラ属菌迅速測定法としての比色系パルサー法
温泉施設等水利用施設において施設管理者が現場でレジオネラ属菌を検出することにより、急増するレジオネラ感染症の減少に大きく寄与できます。この目的のため、16S rRNAをターゲットとして遺伝子増幅を行わずに生菌のみを迅速に検出でき、目視で判定できる比色系パルサー法を開発しています。様々なpHや泉質を有する温泉に応用できるか否かを明らかにするため、種々温泉源泉並びに浴槽水を採取し、ICP-MSを用いて化学成分を分析して泉質を決定します。そこにレジオネラ属菌や消毒剤を添加し、比色系パルサー法に与える泉質や消毒剤の影響等について検討を行っています。

血液中の各種金属イオンの動態

天然水中のヒ素濃度に対する環境の影響

有機および生体過酸化物の質量分析
過酸化脂質を代表とする生体中の過酸化物は極めて有毒であり、酸化ストレスサイクルにおける最終生成物として突然変異、老化、発ガンなどの様々な疾病に深く関わっています。これら過酸化物を迅速・高感度に分析するために、新規なイオン化やイオン反応にもとづく質量分析法の開発を行っています。

第一原理にもとづく気相および固相化学種の計算化学
不安定な過酸化物の構造・安定性・化学反応性を理論的に検討するために計算化学的アプローチによる考察を並行して進めています。さらに高分子膜などの固体中におけるイオンや中性分子の物質伝導を第一原理によって予想し、実験と対応させることも計画しています。

代表論文

  1. Kato S, Blanksby S J. ‘Gas-phase ion chemistry of organic peroxides’ in The Chemistry of Peroxides. Greer A, Liebman J F (eds). John Wiley & Sons, Chichester UK, 2014;3: 531- 584.
  2. Ikezaki A, Takahashi M, Nakamura M. Equilibrium between Fe(IV) porphyrin and Fe(III) porphyrin radical cation: New insight into the electronic structure of high-valent iron porphyrin complexes. Chem Commun 2013;49:3098-3100.
  3. 加藤尚之, 大野 章, 齋藤宏治, 山口惠三. 温泉施設に分布するLegionella pneumophilaの侵入経路の解明に関する研究. 温泉科学2011;60:434-444.
  4. Ikezaki A, Takahashi M, Nakamura M. Models for cytochromes c': Observation of an extremely labile spin state in monoimidazole complexes of saddle-shaped iron(III) porphyrinates. Angew Chem Int Ed 2009;48:6300-6303.
  5. Kato S, Ellison G B, Bierbaum V M, Blanksby S J. Base-induced decomposition of alkyl hydroperoxides in the gas phase. Part 3. Kinetics and dynamics in the HO- + CH3OOH, C2H5OOH, and tert-C4H9OOH reactions. J Phys Chem A 2008;112:9516-9525.
  6. Ohno A, Kato N, Sakamoto R, Kimura S, Yamaguchi K. Temperature dependent parasitic relationship between Legionella pneumophila and a free-living amoeba (Acanthamoeba castellanii). Appl Environ Microbiol 2008;74:4585-4588.
  7. Ikezaki A, Tukada H, Nakamura M. Control of electronic structure of six-coordinate iron(III) porphyrin radical by means of axial ligands. Chem Commun 2008;2257-2259.
  8. Blanksby S J, Bierbaum V M, Ellison G B, Kato S. Superoxide does react with peroxides: Direct observation of the Haber-Weiss reaction in the gas phase. Angew Chem Int Ed 2007;46:4948-4950.
  9. Ikezaki A, Nakamura M. Models for Cytochromes c’ : Spin states of mono(imidazole)-ligated (meso-tetramesitylporphyrinato)iron(III) complexes as studied by UV-Vis, 13C NMR, 1H NMR, and EPR spectroscopy. Inorg Chem 2002; 41:6225-6236.
  10. Oka M, Kamisaka H, Fukumura T, Hasegawa T. DFT-based ab initio MD simulation of the ionic conduction in doped ZrO2 systems under epitaxial strain. Phys. Chem. Chem. Phys. 2015; 17: 29057-29063.

教育の概要

学部

化学研究室は必修の講義科目と実習科目、および選択科目の授業を行うとともに、各種ガイダンス、フレッシュマンキャンプ、PBLテュートリアルや全人医療体験実習など、一般教育全体として行う教育プログラムや行事に参画・協力することにより、低学年次における総合的医学基礎教育の一環を担っています。当研究室が専担あるいは分担する講義、実習、選択科目は以下のとおりです。
必修科目(2016カリキュラム):領域「生体物質の科学」
 サブ領域1「生体物質の科学①」生体無機化学、生体有機化学I
 サブ領域2「生体物質の科学②」生体有機化学II、代謝生化学I(生化学講座との分担)
 サブ領域「生体物質の科学実習」(生化学講座との分担)
必修科目(2011カリキュラム):放射線医学(基礎編)(分担)
選択科目:選択化学I、選択化学II、選択環境科学II(分担)

領域「生体物質の科学」の中で当研究室は化学に立脚した初年次教育を行っています。まず生体関連物質の性質・反応および生体現象を理解するための土台として生体無機化学、生体有機化学I, II、代謝生化学Iを学びます。生体物質の科学実習の前半(化学実習)では安全教育を手始めに基本的な化学実験操作や研究方法を修得します。これらは医学基礎教育の根幹の一つとして位置づけられます。学部2年生に対する放射線医学(基礎編)では生体物質におよぼす放射線の影響と放射能の核医学分析への応用を学びます。選択化学Iでは必修科目に対応した演習によって、選択化学IIと選択環境科学IIではより進んだトピックを学ぶことによって理解を深めます。

その他

社会貢献

小学生 夏の学校(東邦大学医学部・看護学部共催)
東邦大学医学部 第1回市民公開講座(東邦大学医学部アウトリーチ委員会主催)
市民講座向け公開講演(2015年度日本温泉科学会)
都立高校への出張講義

学会活動

2015年度日本温泉科学会第68回大会の開催(天童市、山形、2015年9月)
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151