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医学系研究科 社会環境医療系 医学教育学講座

講座の概要

医学教育は、主に医師・医学生を中心とした医療人の教育について、どのような医療人が求められるかといった教育理念に関することをはじめとして、その方法論や評価の方法などを幅広く研究する、学際的な分野です。一方で教育は人を相手にしますから、試行錯誤しながらよりよい教育を考え続けるという、一筋縄ではいかない奥の深い学問でもあります。
本講座は平成23年度開講、平成24年度に大学院生第1期生を迎えた、フレッシュな講座です。大学院の共通必修科目の「医学教育学コース」における実習として医学部学生のテュータを担当することに加え、医学部の医学教育センターとも密接な関係にありますので、医学教育を実践しつつ学ぶことが可能であり、医学領域にとどまらない多分野で活躍する教員らと一緒に研究することもできます。積極的に学会活動を行っておりますので、とても刺激のある、そして充実した4年間を送れると思います。医学教育センター(医学部本館3階)を拠点として、研究を行います。医学教育センターは東邦大学医学部の教育を考える部署ですので、多くの教員らと接点をもつことができ、研究を行う上でとても刺激になると思います。
医学教育に関心がある方はどなたでも遠慮なく気軽にご相談ください。研究テーマを踏まえて、本学の大学院制度や本講座について詳しいご説明をさせていただければと思います。

研究の概要

本講座では、以下のような研究分野に取り組んでいます。

  • シミュレーション教育に関する研究
    現在、模擬患者やシミュレータを用いた教育プログラムを展開しています。本学では、模擬患者との医療面接やシミュレータを用いて心音や呼吸音などのデータを自分たちで取得し、Problem-based Learningの臨床推論を行うという授業があります。まだ始まったばかりですが、学生たちにどのような学修成果があるのかを検討しています。新しい取り組みは研究成果として発信することを心掛けながら、学生が興味を持ち、臨床スキルの修得を融合させた問題基盤型学修を構築することを目指しています。
  • ヒト型ロボット(Pepper)を用いた教育の開発
    本学の医学部4年生に対し、将来のICT(Information and Communication Technology)の未来にも対応できる医療人育成を視野に入れ、Softbank社のヒト型ロボットPepperを用いた教育実践の実習を提供しています。学生らがICTを通してどのような学びを得ているのかなど、Project-based Learningを基盤にICTを組み入れた教育効果を検討しています。
  • 生命倫理教育に関する研究
    知識だけではなく、スキルや態度の評価をどのように行うのかというは医学教育でも大きなトピックです。その取り組みのひとつとして、研究倫理教育での倫理的意思決定スキルの尺度開発を試みています。研究倫理教育の際に用いることができる簡便な、かつ知識の修得以外の教育効果を測定する評価ツールを作成することを目的として、シナリオを用いた尺度を作成し、その信頼性と妥当性を検討しています。
    また、東邦大学医療センター大森病院の院内教育委員会(臨床倫理検討会)に参画し、多職種連携を実践しながら、臨床倫理教育の手法や評価、よりよいコンテンツの作成などを研究しています。
  • 学習意欲、学習態度に関する研究
    本学の薬学教員や他大学の看護学教員らと共同で、医学生や薬学生の学習意欲尺度の開発に取り組んでいます(看護学生用は既存)。また、医学、薬学、看護学という多学部間の差異などを検討しています。
    医学部の学生らを対象に、1年間での学習時間や学習態度の変化、リメディアル教育による学習意欲の変化なども調査しています。

    その他、模擬患者養成講座への参加やコンフリクト・マネジメントに関する人材育成にも関わり、それらの研究にも取り組んでいます。

代表論文

  1. 吉原 彩, 廣井直樹, 佐藤二美, 並木 温: 東邦大学医学部5年生における医師臨床研修制度に対する認識の変化. 東邦医学会雑誌 63 (2) :100 -105 , 2016.
  2. 岸 太一, 中田亜希子, 吉原 彩, 岡田弥生, 土井範子, 藤代健太郎, 並木 温, 佐藤二美, 廣井直樹: 新しい医学教育の潮流2016:第48回日本医学教育学会大会報告1:質的議論へと向かう分野別認証評価. 東邦医学会雑誌 64 (1) :30 -33 , 2017.
  3. 岸 太一, 中田亜希子, 吉原 彩, 岡田弥生, 土井範子, 藤代健太郎, 並木 温, 佐藤二美, 廣井直樹: 新しい医学教育の潮流2016:第48回日本医学教育学会大会報告2:今後に求められる多彩な医学教育. 東邦医学会雑誌 64 (1) :34 -37 , 2017.
  4. 中田亜希子, 岡田弥生, 佐藤祐子, 山口 崇, 端詰勝敬, 佐藤二美, 廣井直樹: 東邦大学模擬患者研究会(医学部)における模擬患者養成の取り組み. 東邦医学会雑誌 64 (1) :38 -43 , 2017.
  5. 岡田弥生, 廣井直樹, 佐藤二美: 医療系分野におけるリメディアル教育の必要性、およびその問題点. リメディアル教育研究 11 (2) :197 -200 , 2016.
  6. 廣井直樹: 「地域で診療を展開できる能力を修得する」学外臨床実習のカリキュラム策定. 新しい医学教育の流れ 16 (2) :88 -91 , 2016.
  7. 廣井直樹: 卒前医学教育における「実践知」教育 -東邦大学医学部の取り組みから-. 保健の科学 57 (4) :238 -243 , 2015.
  8. 吉原 彩, 岡田弥生, 中田亜希子, 山口 崇, 岸 太一, 逸見仁道, 並木 温, 佐藤二美, 高松 研, 廣井直樹: 新しい医学教育の潮流2015 第47回日本医学教育学会大会報告1. 東邦医学会雑誌 62 (4) :265 -269 , 2015.
  9. 廣井直樹, 大坪利恵, 成田康弘, 石川順一, 仮屋昌美, 松本幸則, 鈴木弘子: 東邦大学医療センター大森病院での総合相談部の取り組み. 医療コンフリクト・マネジメント 3 :37 -40 , 2015.
  10. 吉原 彩, 中田亜希子, 岡田弥生, 山口 崇, 岸 太一, 逸見仁道, 並木 温, 佐藤二美, 高松 研, 廣井直樹: 新しい医学教育の潮流2015 第47回日本医学教育学会大会報告2. 東邦医学会雑誌 62 (4) :270 -273 , 2015.

教育の概要

学部

医学教育学講座は大学院講座であり、講座としては学部教育には直接的には参画しておりません。しかし所属教員は全学年にわたる多くのカリキュラムに関与し、また学部教育に関係する多くの委員会のメンバーをつとめております。

大学院

医学研究科博士課程
共通必修科目 医学教育学コース(2単位)
専攻科目   社会環境医療系 医学教育学 医学教育学特論Ⅰおよび医学教育学特論Ⅱ(4単位)、医学教育学演習(12単位)、医学教育学実習(4単位)

その他

社会貢献

学外アウトリーチ活動:小学生 夏の医学校

学会活動

主催学会/研究会

日本医療コンフリクト・マネジメント学会第6回学術大会(2017年1月)
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151